戸神山 周回      

写真入り・山日記

    

      戸神山 504.4E(男戸神山 女戸神山)



      05月09日  木曜日 晴れ



                                   
 4月の復帰第一戦の泉ヶ岳から一月経っちまっている訳ですが、その間は山に登ってい無いのかと言いますと、しっかり登っていた訳です。
 4月29日には、あの罰当たり組のメンバーと、「残雪期の船形山カール男と女の直登ルート」を登っている訳であります。
これは、升沢小屋の裏手から闇雲に直上すると言うふざけたルートでありまして、やるには、雪崩の見極めなどの技が必要かも知れないという、いわゆる一つの船形山斜め登りバリエーションルートだと思うのであります。
まっ、このルートの肝は、残雪期の早い時期なら雪崩の危険、遅い時期なら熾烈な薮漕ぎ、と、どっちにしてもあんまし普通には勧められないルートであります。

 と、言う事で、4月29日は絶好の天気に恵まれまして、この後の「ゴールデンウィークはブナ平で焚き火三昧」の山行の為のデポ品(酒類)をブナ平に埋めたその足で、船形大雪渓(勝手に命名・関係者からの承認はまだ無い)のカールを登ったのでありました。

 で、5月4〜5日は、やっぱし罰当たり組の一行とブナ平に行きまして、雪上キャンプと雪上焚き火で遊んで来た訳であります。
いや、4月29日の山頂突撃の後は足の具合が悪くなっちまって往生したんですけれども、5月4日にはなんとか回復して、まっ、ブナ平までなら行けるだろうと言う事で行った訳です。

 と、言う事で登っていないと言う事では無いんですけれども、主体性を持って登った山ではないので誇らしげに登山日記など書ける様なアレでも無いと言う事で、本日に至っちまっている訳であります。


    前説おしまい。




戸神山 登山口の賑やかな標識

 戸神山と言うのは白沢の辺りの里山でして、標高も504ルートルしか有りません。
で、本気で登っちまえば1時間も掛からない小さな山ですけれども、しかし、歩いてみるとその趣はとても深いと言いますか、まっ、味わい深い物が有ると思う訳です。
いや、これを見てくれ、とか、こんなモノが有りますと威張って取り上げる物は無いと思うんですけれども、ナンと申しましょうか、里山らしい里山とでも申しましょうか・・・うん、由緒正しい里山歩きが楽しめると言う事ですかね?


益々賑やかになる標識

 白沢のあそこの信号から秋保へ抜けるように県道を行くと、いい加減登った所に鉄の柵で塞がれた林道を発見するんですけど、そこが入り口になっています。
で、鉄の柵があると言う事は入るな、と言う事なんだろうと思いますが、宮城の山のガイドブックにも堂々と載っていますので黙認されているんでありましょう。
柵の脇から回り込んで行くと、上にある配水場の施設までは舗装道路であります。

 2〜3分で排水場のタンクやらが見えたら、右手に回り込んで裏へ続く林道後へと入って行きます。
ここからは如何にも里山と言いますか、昭和の30年代〜40年頃にはまだ仙台のどこでも見られた懐かしい里山風景が始まるのであります。

 と、言う事で、なんて事無い里山で特筆すべき事は何も有りません・・・が、そこが落ち着くと申しましょうか、そこが味だと思いますんで、高い山とは違った、まったりとした趣のノンビリとした山道を噛み締めるように登る訳です。


岡本太郎画伯の太陽の塔の様な案内板

 この山を愛する人達の手作りの標識がこの山の売りと言いますか、動植物には特別見る物も無いんですけど、この標識達を見る為に戸神山を登ると言うのはけっして詰まらない事ではないとおっさんは思います。

 例えば、上記の写真の標識は切り落とした枝の先には必ず蓋がしてある訳ですが、その中でも、てっぺんを飾る鍋の蓋はどこから見ても太陽の塔を意識したパクリに見えて仕方が無い訳です。
で、一枚有れば解る方向を示す矢印も無駄に沢山付いている訳です。
これらの標識を見ていると、標識は登山者の為の案内板と言うよりも、標識と言うカテゴリーのアートなんだと言うのが伺える訳で有ります。

 

貴重な水場です が、飲むとなったら大変ですけど

 太陽の塔の広場から右手に進むと「表コース」であります。
左手は「裏コース」でありまして、どっちを登っても一周して広場に戻って来ちまいます。
おっさんは右手の表コースから廻りました。
で、ここから山頂までがナンボか登山らしい道が続く訳であります。
登山道には里山らしい花が咲き、やっぱし高山的な山とは趣が違う訳です。
ナンと申しましょうか・・・日当りの良い所は赤松が見られ、子供の頃に遊んだ裏山の景色が蘇る様な、そんな優しい雰囲気の山なんであります。

 おおっと・・・写真を載せといて忘れる所でありました。
水場のある所は鬱蒼とした杉林の中なんでありますが、この杉林が良く手入れされた美林な訳です・・・今時は里山の手入れも出来なくなり放置され荒れた植林地が目立つんですけれども、ここは良く手入れされていて気持ちが良いです。
で、水場の水なんですけど、山が小さいんで水量が乏しく、コップ一杯を満たすのにも相当な時間が必要だと思うんで実用的では無いと思います・・・が、立派に水場の雰囲気を備えているとは思います。

 この先、ずーっとヒトリシズカが並ぶんですよねぇ〜ここから尾根に出るまでの登りが一番好きです。


尾根に出て、右に行くと女戸神山 左が男戸神山

   水場を過ぎるとナンボか登りらしくなって、登り切ると按部になっております。
ここも好きな場所でして、日当りが良いと言いますか、まっ、この山の表コースは全体に陽性の山で、どこも明るいんですけれども、この按部も里山らしさに溢れていてのんびりするのであります。

 帰り道は裏コースを廻る予定なので先に男戸神山の山頂に向かいました。
いや、ここからの10分程度は登山的でありまして、少し本気で登ります。
2〜3年前の同じ頃に登った時にはムラサキヤシオが綺麗だったと記憶しているんですが、この度は見られませんでした。


熊落ち坂ですってぇ・・・付けてみたかったんでありましょうね

 熊落ち坂であります・・・そして、急登であります。
 やっぱし戸神山を愛する有志に因るアレだと思うんですけれども、トラロープがお助けロープとして張られておりました。
しかし、山が小さいので喘ぐ事も無くあっという間に山頂であります。

 

躊躇う事無く鍋焼きうどんを持って来たんですけど、陽射しが暑かったです

 写真など取りながらホントーにのんびりと登って来たんですけれども、やっぱし1時間程度で登り切っちまいました。
まっ、周回コースの残りの距離は、下りとは言えここからの方が遠いんで、ゆっくり下って1時間と20分ですか?
いや、急ぎ足なら1時間も有れば下れますけど。


三級基準点 No.10と記されているんですが・・・

 山頂で鍋焼きうどんを喰い、舐める程度にビールを飲んで、そしてたっぷりと昼寝をして・・・二時間近くも寝てましたでしょうか?
いや、眠っている訳ではないのです・・・流れる雲を見ていたり、時折通り過ぎる鷹を見ていたり、アゲハチョウ達の追いかけっこを見ていたりしつつ、時折アレコレとややこしい事など考えてみたりしている訳です。

 仕上げにコーヒーを2杯程飲んで、もたもたと後片付けをして下山に向かいました。
やっぱし急ぐ必要も無いのでのんびりと、狸の糞を見つけては棒で突いて糞虫でも居ないか?なんて事をしつつ下りました。

 戸神山は大騒ぎして登る山でもなく、ホント、子供の頃のように握り飯と水筒を持って秘密基地へ行くときの気分とでも申しますか・・・言葉に出来無い気分なんですけれども、なんだかとっても懐かしい山道なのであります。

 わかるかなぁ〜 わかんねぇだろうなぁ〜

   いやぁ・・・山は やっぱし良いもんです。



     この話 完




山の状況、情報は適当ですので、ご注意下さい・・・


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