+ 2010年9月船形連峰 御所山 道元峽〜層雲峡      

    写真入り・山日記

    

   〜大沢小屋で五右衛門風呂に入る〜

  2010年09月11日  晴〜雨 

   

   先月の山行で南丸松保沢を遡行し升沢小屋に泊まっていた時、リーダーから、山県側の層雲峡から船形山(山県では御所山)に登るのも良いぞ。との話しが出た。
そして、層雲峡を登るのなら是非とも「大沢小屋」へ泊まるべきであり、泊まったら「五右衛門風呂」へ入るのが由緒正しい層雲峡コースの登り方である、との教示を受けた訳であります。
その場でおっさんが千葉B氏に「来月行かねぇすか?」と打つと氏は「行くすかっ?」と響いた訳であります・・・うむ、打てば響く訳で有ります。
と、言う事でその場で日程もメンバーも決まった感じで、おっさんは後のすべての段取りを千葉B氏に丸投げ状態で当日を迎えた訳であります。
が、しかし、一度だけ千葉B氏の立てた計画書に「こんなに時間掛からないんで無いのぉ?持て余すんでないのぉ?」とメールを送った所、層雲峡の入り口まで、登山地図では林道歩きになっているけれども、道元峽と呼ばれる、層雲峡の下流も遡行すると言う事で時間的にはそれ程余るという事でもないのである、と来た訳であります。
そして、早く着いたらのんびり風呂を沸かして入るべし、と言う事で、成る程な、と納得した次第でありました。
しかし、実際に入渓して歩いてびっくりで有りましたが、一泊二日の行程の全編で登山地図が提示しているコースタイムより大幅に時間が掛かってしまう訳であります。
登山地図は空身の日帰りを想定しているので鍋釜寝袋食料一式を背負っているおっさん等御一行よりは身軽でありましょうが、しかし、こちらもそれなりに荷物を背負うのは慣れていると自負している訳で、ここまで狂うのも珍しいぞ、と、一同ちょっと動揺した次第でありました。

  写真・・・入渓してすぐ、丹生川は乳白色で、流れ込む沢は無色透明なので、川の色が左右で違います

   




   おっさんはメモもとっていないので時間とか地名もかなりいい加減なんでありますが、夫の小屋跡と呼ばれる登山口を出発したのが9時50分頃であったと思います。
御所山荘に到着して身支度など整えている頃は夏の名残を残す青空が覗いていたのでありまして、本日も絶好調であるな、と思わせる出足で有りました。

 道元峽には丹生川と上の方を走る林道とを結ぶ連絡路と言うのが4カ所作られているのであります。
連絡路の訳は、行ってみれば歴然と分かるんでありますが、沢というにはちょっと広過ぎる道元峽の終点落合までは、全部ゴルジュ帯であると言って良い訳で、例えば夏場の突然の大雨で増水した場合など、逃げ道は連絡路から林道に上がるしか手は無い訳です。
で、入山地点にとてもしつこく「増水時は危険」と記されているんでありますが、初めて入渓する人の想像の3割増程度で増水時は危険だと思われます。

 写真・・・沢というよりも河原と言う様子の道元峽ですが・・・やがて豹変しますから。




   さて、道元峽は沢歩きなのかと言うと、そうでは無く、水量が少なければのどかな河原歩きな訳であります。
沢歩きに付きものの滝を登るとか、高巻きをしなくちゃ前進出来ない、なんて言う緊張感は始めは皆無でありました。
しかし、のどかなのは最初だけでありまして、やがて地図上の毛虫マークがはっきりして来ると、今度は岩場の「へつり」ばかりが続くようになる訳であります。
落合までを道元峽と言い、その先が登山地図にも載っている層雲峡なんでありますが、手強いと言う事では、下流の道元峡の方が数段手強いと思います。
それにしても、この時点では天気予報が言う程の崩れも無く、どこからかミンミンゼミの鳴き声さえ聞こえていたのでありますが。

 写真・・・のどかな河原なのですが、両岸は登れる傾斜じゃありません。水が出たらアウトですか?






 道元峽は新しいルートではないと思うんでありますが、宮城県側の人間にはあまり情報の多いルートではない訳です。
で、岩場のへつりで厳しい所には立派なステンレスの鎖が掛かっておりまして、ルートの整備は抜群に良いのであります。
しかし、なんぼ立派な鎖が設置してあると言ってもそこそこの高さで岩の狭い足場をへつって行く訳でありますから、それなりの緊張感は否めないのであります。
このルートは昭文社の登山地図には記載されていなくて、丹生川沿いに平行して走っている林道を行くように紹介されているのであります。
しかし、その理由はやはりまかり間違った時の危険度からガイドブックの著者が掲載を避けたのではなかろうか、なんて想像してみる次第であります。

 写真・・・へつりは滝の直登に比べれば緩いとも言えますが、これでもかと言う距離で続くので結構うんざりします。

   




 しかし、北海道の層雲峡にも決して見劣りしない柱状節理やらの奇岩怪石がそこいら中にありまして目には飽きない訳であります。
で、沢登りは水に添って行く、を旨とする千葉B氏などは岩場のへつりよりも泳ぐ方を採る訳でありますが、しかし、渇水期と言える現在でも、深い所は十分深く、それなりに濡れてしまう訳であります。
おっさんの勝手な推測なんでありますが「丹生川」は「乳川」では無かったのか?なんて思う訳であります・・・流れ込みの沢に新乳沢もあるようですし。
と、言う事で、渓谷を流れる水はずーっと上流まで乳白色に濁っているのであります。
乳白色の流れが淵やら釜になるとなんとも言い表し難い幻想的な緑色をたたえる訳でありますが、これがどれ程の深さなのかを読み難くしていて、容易に釜やら淵を泳ぐ気にさせないのであります。

 写真・・・柱状節理と乳緑色の淵






 へつりはスリリングで楽しいのですが、この手のルートに慣れていない人には厳しいかもしれません。
まっ、おっさんもそんなに偉そうな事は言えない初心者でありますが、岩に触れなければならない一般ルートと言う事では、東北地区屈指であろうと思うのであります。
ルートにはしっかりしたクサリが敷設してあるのでハーネスも要らないしロープも出さなくて良いのでクライミング装備を必要とする沢よりもお手軽では有ります。
しかし、岩場のへつりとヤバイ度に関しては侮り難いものがあると思うのであります。

  写真・・・目の前で水際から立ち上がる岩の眺めと、手が岩に触れる質感がなんとも言えない良さであります






 それにしても道元峽の渓谷歩きはため息が出ます・・・いや、遡行が辛くてではなく景色の多彩さにであります。
で、これでもかという程のへつりの連続の危ない箇所には鎖が有りますし、岩には足場が切られている訳です。
そして、所々にとても古い鉄のリングや錆びた針金が残されているのは、山県県側ではこのコースは相当古くから馴染みのものであったろうと推測出来るのであります。
しかし、緊張のへつりや、もう少し水量が多かったならば釜や淵の泳ぎも余儀なくされたと思うコースではありますが、標高は全く稼いでいないので、体力的にはほとんどお散歩気分であります。
まあ、そんな高低差であるからこそ滝が無いのでありますが、これでロープが出る様な滝があったら、そこそこ有名な沢コースになった事でありましょう・・・いや、この後滝も出るんですけれどもね。

 写真・・・丸太の一本橋を渡って落ちて濡れるより、始めからジャブジャブ行った方が安全です






 滝は有る事は有るんですが、沢というよりも川と言える程の広さなので・・・ああ、そうか、おっさんは常日頃大きな沢を攻めた事が無く、一日で源頭まで詰め切れる程度の沢しか知らないので道元峽を河原歩きと言ってしまうのだけれども、流程の長い川ではこれが普通なのかも知れない。
しかし、丹生川ってそんなに大きな川では無いですけどね。
で、仮に滝が出て来たとしても、親切に赤ペンキが巻き道やらへつりの足場などを示してくれるし、おっさんは気付かなかったけれども、Y嬢曰く、ここで確かなホールドが欲しいと思った所では赤ペンキが掴むべき位置を示してくれていた、と宣った程に親切なコースなのであります。
それにしても次から次と素晴らしい景色が現れ、飽きる事が無い素晴らしいルートでありますが、どーして宮城側では話題にならないんでしょうか?不思議です。
紅葉の頃なら、ゆっくりと道元峽を落合まで遡って、四番の連絡路から林道に上がって戻る、なんて言うのもやってみたいと思います。

 写真・・・淵は深く全身浸かってのジャブジャブは避けたいと思う所ですが、左岸から楽に回れます。






 おっさん腕時計を持って行かなかったんでいつにも増して時間の記憶が曖昧なんで、落合の4番連絡路に何時頃の到着だったのか、腹ぺこだった事しか覚えていません。
で、今回も千葉B氏Y嬢が総ての食料計画と実践を司ってくれている訳でありますが、本日の昼飯は「冷やしカレーうどん」でありまして、キゥイフルーツ付きです。
で、誰からとも無く「もうすぐ大沢小屋だっちゃ?」と言う声が上がり、んじゃぁ、軽く一本冷やしておきますか?となって、プッシューと行く訳であります。
が、しかし、これがまたとんだ勘違いと言いますか、地図はドーなってんだ?と言う程に、大沢小屋に辿り着かなかったんであります。
確か、おっさんの調べでは落合からの距離は僅かに2.5キロで、標高差は100メートルにも満たないはず・・・どーしたって一時間は掛かるはずも無いと踏んだんでありますが・・・。
で、昼飯を食いながらのんびりしていたらポツポツと小雨が落ちて参りまして、その後、それは本気の降りへと変わって、早く小屋へ着かないかなぁと言う願望が気持ち的に遠くさせていたのかもしれません。
ザアザア降りになった雨の中、突然視界に入った大沢小屋は、威風堂々、昭和モダニズムの粋を凝らした・・・そんな物が有るのか?とにかく、良くも悪くも聞いた噂とは大違いで、立派に補修がなされた、現役の山小屋で有りました。

 写真・・・大沢小屋 発見の瞬間

 




 さて、道々「小屋ば通り過ぎた、なんちゅう事は無いっちゃねぇ」等と一同それぞれ、異口同音に遠いなと感じていた訳ですが、4時頃、小屋に到着でありました。
おっさんはそろそろ足がアレでナニして来たもんですから、風呂の水汲みも薪探しもほとんど手伝う事も出来ずに、ビール片手に声援ばかりを送っていた訳でありますが、千葉B氏もY嬢もM氏も、雨の中を濡れながら風呂焚きのために尽力していたのでありました。
やがて千葉B氏が必死の思いで濡れた薪に火を起こし・・・いや、乾いた薪なんかならここまで苦労はしませんて。
散々苦労して火を起こし、程良い湯加減になった所で、まず、隊長の千葉B氏から、大沢小屋名物の五右衛門風呂を味わった訳であります。
その後、順次それぞれが風呂を浴びて、乾いた服に着替え、毎度の宴会へと突入し、気が付いたら朝でありました。
晩飯は、スープ餃子に餅だったかな? あっ、ウインナーが美味かったんだっけ?酒はいつもの事ながら豊富でした。

  写真・・・釜焚き奮闘中の千葉B氏・晩飯の図・おっさんの入浴シーン






   〜大滝(男滝・女滝)を見る〜

  2010年09月12日  大雨〜雨〜小雨 

 夜は酔っ払って正体不明で寝ていましたので夜中に相当強い雨が降った事も、雷が鳴った事も知らずにのほほんと朝を迎えたのでありました。
うとうとしていると、千葉B氏の「ヤバイなぁ、水かさ増えてるなぁ」の声に驚いて飛び起きたのであります。
なんと言っても、増水したら入渓禁止としつこく警告板が出ている沢でありますし、実際に退路の無いゴルジュ帯を通って来ているのでありますから、どーしても緊張してしまいます。
で、窓の外を見ると、乳白色だった渓流の流れは赤土色に変わり、昨日は見えていた岩が水没しているのでありました・・・渡渉がヤバイかも、と久々真面目に心配してみるおっさんでありました。
しかし、腹が減っては戦にならない訳でありまして、取り敢えず飯であるな、と。

  写真・・・朝飯の風景です・・・サンマの干物を山用の小さなバーナーで焼き上げた千葉B氏に脱帽して敬礼!!!






 さて、さんまの蒲焼きを焼いて、パックライスとはいえ赤飯に梅干しとネギとわかめのみそ汁でありますから、二日酔い気味のおっさんにはピッタリであります・・・おかわりしたかった。
で、雨脚が弱まっていたのでゆっくり出発した方が良いのか、それとも、また強く降って来たら更に窮地に追い込まれるかも、と判断に迷う所でありました。
しかし、どんな時にも落ち着いて、取り敢えずやることはやる、と言う事で、食後にはしっかりとコーヒーまで飲んで、記念写真もきっちり撮って、出発したのは7時半でありました。
この頃、渓流の流れに早朝の勢いは無く、ほとんど水が引いた状態でありまして、濁りも赤茶色からイチゴミルク色に変わっていたのであります・・・こうなりゃ呑気なものでありまして、目指すはまだ見ぬ大滝であります。
で、昨晩はきれいに澄んでいた大沢小屋の脇の沢水も黄色っぽく濁り、まずい水になっていたのでありますが、概して丹生川に流れ込む沢は、岩や土壌の影響からか、鉄さび色や硫黄っぽい水や、透明だと思って口に含むと強烈な渋味のある水など、飲用不適な沢水が多いようであります。 たまたま雨だったからかも知れませんが、沢歩きにも関わらず、飲料水に難儀したと言う、珍しい沢で有りました。

写真・・・地図では大滝と一つの表記ですが、男滝と女滝と言うのか?女滝の前に立つ千葉B氏






   小屋を出る頃には雨も小止みになりまして、合羽を着て蒸れるか、小雨で濡れるか、悩ましい所でありました。
心配した水量はぐんぐんと落ち着き、昨日変わらない所まで下がり、歩くのも心配無しで、本日も元気にへつりと徒渉を繰り返して行くと、前方から微かに響く滝の音が聞こえて来まして、おお、これは大滝に出たな、と一同急に早足になるのであります。
で、真っ正面にどちらかと言うと白糸の滝系の水量の細い上品な滝が見え、おっさんはそれが大滝だと思って駆け寄ったのであります。
千葉B氏の後を追って滝に近寄ってみましたが、落差が50メートルはあろうと言うのに滝壺も小さく、意外と静かな拍子抜けする滝であるな、と言うのがおっさんの偽らざる感想でありました。
で、それぞれに記念写真など撮って、赤ペンキに従って進むと、なんとぉー、すぐ脇に先ほどの滝と同じ水源から別れて落ちるもう一条の滝があるのです。
こちらは水量が多く、近づくと飛沫でびしょ濡れになる勇壮な滝でありまして、岩も堅そうで、きっと古の猛者が挑んで居るのであろうな、と言う垂直の壁を擁しておりました。
滝の前で休憩すか?と言ってみたんでありますが、飛沫でびしょ濡れになると言う事で、滝から離れて休む事にしたのであります。

写真・・・地図では大滝と一つの表記ですが、男滝と女滝と言うのか?二条滝になっている内の男滝です






 今まで比較的無口で、先行しては皆の写真を撮ってくれていたM氏が「いやぁ、ここまでくれば大丈夫」と、尾根に向かって登り出してすぐに言ったのであります。
皆増水の危険は百も承知で逃げ場の無いゴルジュ帯を歩いていた訳で、これから逃れられるという安堵感はけっこうな物であったろうと思います。
かく言うおっさんも、短時間で水が引くという事は、降った場合には、短時間で水が出るという事なので、それなりに心配はしていましたが、取り付いた急斜面の地盤がこれまた心許ないザレ・ガレと岩と土の混合でして、一難去って又一難なのかぁー、と、こちらも心配なのでありました。
千葉B氏がY嬢に、落石の予想される斜面の登り方を伝授しておりましたが、今までの滝登りの技術と、今回のへつりの特訓で、大概の所はOKなのでは無いでしょうか?・・・来年はいよいよ槍から穂高へ縦走かな?なんちゃって。
このルートは河原歩きとへつりの部分は技術的に楽しい陽の部分でありまして、大滝から落合までは、ひたすら忍耐を擁する陰の部分であろうと思う訳です・・・まず、登ってばり見さいん、と。

写真・・・足場に細心の注意を払いつつ登るY嬢・・・ロープが張られています






 尾根を目指して岩場を登って行きますと、ちょうど男滝と同じ高さに絶好の展望場所が有りまして、男滝が手に取るように見えるのであります。
で、前方の尾根に向かっては、これが船形山なのか?と唸りたくなるような崩壊した岩場が開けているのであります・・・この地形を見た千葉B氏が「天狗の修行場」と名付けましたが、おっさん的に「鬼のキジ場」なんかドーだろうかと思うんですが。
大滝からは崩落気味の沢筋を登って、こりゃヤバイ、と言う所から沢筋を外れて左手のなんとなく尾根っぽい所に入って、ここでようやく落石の恐怖と足元崩落の危険から解放されるのであります。
しかし、大滝から目指す御宝前分岐までは2キロ程で450メートルを登るので、何処まで行っても急登には違いないのであります。
ブナやヒメコマツの見事な自然林?を眺めつつ、喘ぎながら急登を登り、そろそろ足に来ていたおっさんは「一本入れるすぺぇ」と千葉B氏に言って、本日初の大休止を取ってもらったのであります。
いや、水量が減ったとは言え雨の沢筋を詰めるのは中々に応える訳で、おっさんも焼きが回ったなとつくづく思う次第でありました。
で、ここで沢靴を脱ぎ、乾いた靴下と登山靴に履き替えて御宝前分岐を目指したのであります。
この先、森林限界近くや日当りの良い所では、笹がとても元気で、殆ど薮漕ぎでありまして、このコースの人通りの少なさが窺えました。

写真・・・天狗の修行場か? はたまた天狗のキジ場か?・・・この下が男滝なんで呑気に眺めてると落石食らうかも






 さて、ナントカカントカ登り切って御宝前分岐に辿り着いたのでありますが、小雨で煙って船形山の山頂どころか、見えるはずの山々は欠片も見え無いのであります。
で、時間も既に一時頃になっている訳で、ここから山頂に行きたいと言う人は皆無な訳です・・・たった1.2キロ、40分が我々には重荷になっていたのでありました・・・と、言う事で簡単に山頂はパスであります。
もっとも近頃の我々の山行は、ピークハンターは卒業して山歩きを楽しむ方向にあるので、元の計画からして山頂アタックは重要視していなかったんでありますが。
本来であれば昼飯はミソラーメンなのでありますが、雨の中でラーメン作る事も無いだろう、と言う事で、それぞれが持ち寄った行動食を食べて、軽い休憩のみでクラエ山方向へ出発でありました。
基本的には下山になる訳で、下りなのでありますが、小さなピークを拾って行く尾根筋でありまして、比較的登りの多い下りなのであります・・・しかも感覚的には地図で読むよりも距離が長いんだなこれが。
で、次の目標地点のクラビ分岐点は、1/25000の地形図の道は廃道になっており、今の分岐点はかなり先になっている訳です。
おっさんのGPSの地図は1/25000地形図なので既に通り越した事になっている訳です。
で、一人ならこんな時には立ち止まって確認するんでありますが、数人で歩いていると、ドーしても他の人に依存してしまってそれを怠ってしまうのであります。
結果的には踏み跡通りに行けばなんと言う事も無いのでありますが、この度も、地形図と実際の登山道のズレに引っ掛かったのでありました。

写真・・・滑る・揺れる・落ちる?手摺代わりの補助ロープが切れたらしい、三拍子揃ったファンキーな丸木橋






 クラビ分岐から落合の林道まで、登山地図だと1時間で行く事になっているのでありますが、これがまた、気分的にはけっこう長いのであります。
しかも、丸木橋を渡るやら、お助けロープが無いと降りるのに難儀する岩場なども出て来ますし、狭いトラバースの足場がズルッと崩れた先は、落ちたら止らないだろうなと思える急斜面であったりする訳です。
おっさんはピークハンターでは無いのだけれども、しかし、このルートは自分の中では今まで登って来た山の中でもトップクラスの難易度だと思う訳で、これはまたいつの日か、山頂も含めて登りたいな、と思ったのであります。
このルートは修験者の開いたルートであり、御所山信仰の山参りのルートとして存在したものであろう、なんて勝手に想像する訳ですが、蔵王のロバの耳を危険だからと入山禁止にしてしまう宮城県では、たぶん許されないコースになっただろうな、と思う訳です。
さて、四時頃にようやく落合の東屋に辿り着き、手持ちの行動食など食べ、残り三キロの林道歩きをしまして、五時頃、御所山荘に戻って参りました。
ここで本日の昼飯になった訳でありますが、これがまた、山の中で喰ったらさぞかし美味かったんべね、と言う代物で、2種類の焼豚と、コーンと餅と、新鮮なネギがたっぷりと入ったミソラーメンなんであります。

 ここで腹を満たして帰途に着いてすぐ、ダムを過ぎて進行方向左上に何やら灯りが点っているのが見えた訳です。
温泉ハンターの勘と血が騒いだのでハンドルを切ると、そこには立派なお風呂が在ったのであります・・・が、やっぱし船形山麓に温泉は無い、の定説は覆る事は無く、沸かし湯だったのであります。

写真・・・林道に出て気楽にトンネルの道など行く姿。しかしここでも落石の危険はそこいら中に。



  二日間のGPSの軌跡です。渓谷の一部で衛星のロストが2度ありました。






   本日の山行記、これにて終了であります。








 

    では・・・また。


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