気ままに ぶらり行く 温泉



    川度温泉


     本日はバイクツーリングとシャレてみました

     1発目・・・川渡温泉 共同浴場 

     ずーっと前から行ってみたい、いや、行かなくちゃと思っていた温泉が川度と鳴子でありました。
    一度立ち寄ろうとしたんでありますが、古い温泉場の公衆浴場とか共同浴場という物は押し並べて駐車場が無いのが常でありまして、鳴子の町中から退散して来た経緯がある訳です。
    で、本日は知り合いから強引に借り受けたスクーターでツーリング気分で行ってみようと計った訳であります。

     おっさん日本でバイクに乗るのは20年ぶりくらいになる訳ですが、しかし、つい一昨年まで某所で山バイクを乗り回していたので、まあ、走り出してしまえば勘はすぐに戻ると踏んで出掛けた訳であります。
    バイクは125ccのイタリア製のスクーターでありまして、デジタルメーターなんかが装備されたシャレたバイクであります。
    が、しかし、外人向けのボリュームなんでありましょうか?比較的股下には自信のあるおっさんが乗っても足付きは良く無いのであります・・・スクーターのくせに両足べったりは着きません。
    で、借り物にケチをつけるのもナニではありますが、ツーストで125ccもあればそんなに困る事は無いだろうと思ったら、ちょっとした上り坂で60キロキープが厳しくなる代物でありまして、この手のバイクは日本製に限るなと心底思った次第であります。
    で、久しぶりに国道を走って思ったんでありますが、昔と違って車と道路が良いせいか、車の流れがとても速いのでありますね。
    川度と鳴子の間の国道では必死の全開90キロで走っても煽られる始末です・・・たんに後続車の性格が悪かっただけかも?。

     そんな訳で、おっさんの団地の前を通る国道457号線をビービー言わせて走り抜け、岩出山から国道47号に出て川渡温泉まで1時間とちょぼ、アマゾンで買い求めた2980円のメットを冠ったおっさんは、青い煙を吐きながら走り抜けたのでありました。

    川渡温泉共同浴場 外観

     さて、川度の街中へといわゆる旧道を入って行きましたが、案の定、温泉の場所は皆目見当もつきません・・・温泉案内はシート下の物入れに納まってはおりますが、そんなモノを引っ張り出すよりも誰かに聞く方が早い、と。
    しかし、第一村人発見が難しいのであります。
    道路を支配するのはオニヤンマでありまして、人も車も通っていない訳です・・・心の底から静でありました。
    そこへ赤い郵便バイクが現れて配達の為に停車した訳であります・・・お仕事の終わるのを待って温泉の場所を聞くと、すぐそこでありました。
    しかし、直ぐそこではありましたが、聞かなければ絶対に辿り着けない裏通りにありまして・・・郵便屋さんご苦労様でした、と。
    車で行くのであれば・・・おおっと、ガイドブックには駐車場は無い、と記されておりますが、すぐ近くの公民館の駐車場がありますし、共同浴場の脇の空き地も先着3〜4台は置けるのであります。

     おっさん、温泉ハンティングと山用に完全防水のカメラを買い求めたので、本日からはかなり衝撃的映像で温泉に迫れると期待していた訳であります、が・・・持って行くのを忘れちまいました。
    なので本日のお写真は携帯のものでありまして、マヌケおやじがぁ、と。

     川渡温泉は鳴子と同様にとても古くて由緒ある温泉地でありますが、川度は規模の小さな温泉宿が多く、地味な存在であった訳です。
    そんな地味な存在であった川度温泉は現在はより一層地味になっている訳で、その雰囲気が街全体にそこはかと無く漂っているのであります。
    時代の流れを感じます。
    しかし、温泉としての実力は流石に老舗で通った川渡温泉であります。
    川渡温泉共同浴場は過度に立派では無く、必要にして十分、なによりも清潔でありまして、組合員が大切に維持している共同浴場の存在が、ググッと際立つのであります。

       木戸銭の200円を小さな木箱に入れまして、中に入りますと無防備な脱衣場に全財産を置く訳ですが、貴重品の心配は無用であります。
    素通しの硝子で良く見えるのでありまして、だから、温泉場にありがちな「盗難注意」の張り紙も無いのであります。

       さて、お約束のケロリンの黄色い桶でざぶざぶと下湯・掛け湯を致しまして、いざ湯船に沈むと・・・やややっ、これはまた、なんとも優しいお湯だなぁ、と。
    温度は少し高めで、おっさんの勘では43度から一寸上かなと言う感じで、入った瞬間はピリっとします。
    しかし、お湯の当りが柔らかいと申しましょうか、ほんのりと漂う硫黄の香りも手伝って、身体に触るお湯はしっとりと感じるのであります。
    そして、薄緑黄色の濁り湯にはよく見れば湯の華が漂い、これぞ温泉と唸りたくなるお湯で有りました。
    川渡温泉共同浴場につきましては、湯船の評価や洗い場の施設のアレコレは無用でありましょう。
    高温故に加水されるとは言え、惜しげも無く源泉を掛け流す川渡温泉共同浴場・・・花丸に、良く出来ましたが付くなとおっさんは思ったのであります。

     川度温泉 共同浴場・・・うんちく

     泉質    炭酸水素塩泉
     成分    硫黄・ナトリウム・炭酸ガス
     効能    神経痛・リュウマチ・疲労回復・切り傷・皮膚病・疣痔
     飲用    不可
     入湯料   200円 手ぶら不可 
     特記事項  休憩所は無いが表の縁台で涼むのがとても良い。





     

    鳴子温泉


       鳴子温泉 早稲田桟敷湯

    早稲田桟敷湯 外観

     おっさんが一番期待して行ったのは、色々なガイドブックで推している早稲田桟敷湯、これでありました。
    が、しかし、はっきり言って看板倒れ、名前負け?・・・宣伝のし過ぎか?と言う感じで、点数を付けるとすれば、赤点でありました。

     この湯の源泉の由来はおっさんも知っており、早稲田と縁のある由緒正しい温泉なのであるなと言う事で、敬意を表していた訳であります。
    まず、ナニがおっさんの期待を裏切ったのかというと、どこから見ても駐輪場に最適だろうと思うスペースに張り紙がされていて、バイクや自転車も共同の駐車場へ置いて来いと宣われた事でありました。
    道路が狭いので路上にはみ出さないように、の張り紙なら理解出来るのでありますが、機動力を発揮したくてわざわざバイクでやって来たおっさんにカウンターパンチを喰らわしてくれた訳で、これ以後、おっさんの評点は激辛になるのは否めない訳であります・・・いや、駐車場は歩いて5分と近いんでありますが、必然性がおっさんには分からない訳です。

    早稲田桟敷湯 風呂場

     さて、必然性が分からないモヤモヤは早稲田桟敷湯全体に温泉の湯気のように漂っている訳であります。
    最初のモヤモヤは建物の外観と、設計のコンセプトであります・・・おっさん、芸術てセンスに欠けているのは認めるんで、他の人はこの建物に感動するのかどうか分かりませんが、私は嫌いです。
    安っぽいコンクリートに黄色ペンキの外観・・・中へ入ると必然性の分からないレイアウトと、コンクリート打ちっ放しの安っぽい床。
    傾斜地の特徴を生かした設計であると言われても、違和感を感じる事は否めない訳で、奇抜ではあるが、ただそれだけだとおっさんは思うのであります。
    コンクリートの建物は完成した瞬間から劣化して行く訳ですが、温泉の建物は普通の建物よりなお一層条件が厳しい訳で、コンクリートだけで設計した早稲田の研究室も良い度胸だと感心しました。
    で、序でなので感じた悪口を有りったけ書きますけれども、長方形がデザインの基本のようなんでありますが、それの必然性が分からなくて、無駄に長っ細い鏡やら、色分けした模様の天上なども気に障るのであります。
    この温泉では随所で違和感は感じるのでありますが、お湯に浸かって安らぐとか、開放感を感じる、プラスの部分が少ないのであります・・・
    で、ダメ押しをするようで恐縮ですが、最悪なのが床でありまして、コンクリート打ちっ放しに妙な長方形の木片を埋め込んだ床は、恐ろしく滑る訳で、但し書きをされても許し難い危険度だと、おっさんは感じました。

    湯の華が漂う源泉の注ぎ口・・・これも長方形にこだわっているのか?

     さて、お湯でありますが、これは流石に鳴子温泉のお湯でありまして、文句のつけ様は有りません・・・だからこそ嫌みも多くなる訳ですが。
    先の川渡温泉の湯との違いは透明感でありまして、ほのかな硫黄臭や湯の当たりなどは似ているのですが、こちらは透明な湯に清涼感を感じました。

     で、しつこく文句を言うと、脱衣場の張り紙の多さにも辟易します・・・この湯の管理者が思いついた事は全部張り紙にしてあるという感じで、手書きの紙片が所構わず張られている様は、美観を損ねるだけで、やっぱし意味不明で必然性を感じないモノでありました。
    書き忘れる所でした・・・桟敷湯の名前の由来は、休憩所を桟敷に見立てて付けているようでありました。

    「早稲田桟敷湯」・・・うんちく

     泉質    低張性弱アルカリ性高温泉
     成分    硫黄・ナトリウム・硫酸塩
     効能    神経痛・リュウマチ・疲労回復・切り傷・打ち身・くじき・疣痔
     飲用    不可
     入湯料   530円 タオル販売あり  手ぶら可 
     特記事項  ガイドブックでは混雑すると書かれていたが、とても空いていた(滝の湯が満員の時)



     鳴子温泉 滝の湯

    滝の湯 外観

     滝の湯は御神湯であります・・・御神湯ですよ、神様のお湯なんでありますから、これはもう聞いただけで霊験あらたか間違い無しと感じる訳であります。
    その謂れは、滝の湯の裏手にある温泉神社の御神湯を引いているからなのであります。
    で,本来であれば温泉神社に参拝し日頃から世話になっている数々の温泉の神様に対して頭の一つも下げてくれば良いのでありますが、そこがおっさんのマヌケな所で、目の前の温泉にばかり気を取られて参拝はしなかったのであります・・・いや、見たら石段が有ったもんで、痛い足を引きずって行くのは面倒だな、と思った次第であります。

    滝の湯の裏手で、源泉のタンクやら、温泉の裏舞台を見る事が出来ます

     さて、入浴券は建物正面左手の自動販売機にて150円で買い求めまして、中へ入ると小さな箱が在り入浴券を入れる事になっております。
    いかにも老舗の温泉場の共同浴場でありまして、番台の風情もとても良いものでありました。
    暖簾をくぐると直ぐに脱衣場でありますが、結構狭いです・・・しかし、そこはそれ、建物の雰囲気が譲り合って狭さをカバーするように、人の気持ちを促す訳でありまして、不自由は感じません。
    こちらも川渡温泉共同浴場と同じで脱衣場から湯船が見通せます・・・しかし、小さな鍵付きロッカーもあるようで、心配な方はそれを利用するようでありました。

       おっさんが滝之湯に着いたのは丁度12時頃でして、過去の経験から、共同浴場が一番空いている時間帯であると思うんでありますが、豈図らんや混んでました。
    混んでいると言っても風呂場には大人5名と子供一人なのでありますが、あまり広いとは言えない風呂場では、窮屈感を感じない限界の人数であろうと思われます。

     さて、滝の湯でありますから、当然滝がある訳でして、いわゆる打たせ湯のような感じでお湯が落ちているのを滝に見立てているようであります。
    で、湯船は手前に大きめで少し熱めのお湯と、奥にやや温めでゆっくり浸かれる小さめの湯船の二つがある訳です。
    おっさんは小さい方が気に入って、一番奥の滝を独り占めして足に当てたり、首に当てたりして楽しんだのであります・・・この時は地元の人が多く、お風呂セットを持っての来場で打たせ湯を利用しようとする人は居ませんでした。

     今更鳴子のお湯の講釈をおっさんが垂れても詮無き事でありまして、だから止めます。
    ただ言える事は、良い風呂というのはお湯もさることながら、建物も含めた総合的な雰囲気で決まるのだろうな、と思う訳です。
    いや、材木をふんだんに使って古めかしければ良いのかと言うとそんな事でもない訳で、例えば、銀山温泉のコンクリートとタイル張りの威厳も何も無い銭湯よりも安っぽい風呂でも、そこには過ぎ去った昭和の時の流れなどを感じさせる風情を持っている訳であります。
    まあ、個人の好みの問題と言えばそれまでですけれども、なんと申しましょうか、そこはかと無い詫びと寂びのある風呂が良いのだな、とおっさんは思うのであります。
    滝の湯は建物全体から醸し出される風情と、お湯の良さと、流れ落ちる湯という仕掛けの面白さが絡まり合って、今までに入ったどの風呂よりもおっさんの琴線を刺激してくれまして、ただひたすらに感心・感動であります・・・点数を付ければ、花丸に、たいへん良く出来ましたと、手放しで絶賛させて頂きたいと思います。


    「滝の湯」・・・うんちく

     泉質    含硫化水素明礬緑礬泉・・・PH7.6は弱アルカリなんだが、明礬緑礬泉は一般的には酸性泉なんだよね
     成分    硫黄・ナトリウム・硫酸塩・明礬
     効能    神経痛・リュウマチ・疲労回復・切り傷・打ち身・くじき・疣痔
     飲用    不可
     入湯料   150円 タオル販売なし しかし、辺りの土産物屋で売っている 
     特記事項  駐車場は無いが、風呂の前路駐2台と温泉神社入り口に2台・・・置けそう



     番外編・・・ラーメン屋の話し

     風呂を3つ入って1時過ぎ、おっさん腹が減った訳です。
    一度滝の湯の近くのそば屋の前でバイクを止めたんですが、小さなバイクを置くのにピッタリはまる場所が見つからず諦めた訳です・・・まっ、品書きの値段もおっさんの財布と相容れないというのも有った訳ですが。
    で、ゆっくりと温泉街を下りまして、最早土産物屋も途切れた、鳴子警察署の向いに差し掛かった時に「ラーメン」の暖簾を一枚見つけたのであります。

    ラーメン屋 外観

     そのラーメン屋の看板は「ラーメン」と白字が染め抜かれた赤い暖簾一枚でありまして、店の名前も何も無いのであります。
    で、おっさんは風呂で大量の汗をかいたので塩っぱいラーメンも悪く無いな、と思ってバイクを停めた訳です・・・脇が入り口でそこに看板が有るのだろう、と。
    割と広い空き地とも言える駐車場の隅っこにバイクを停めまして、「店の玄関はこちら」の矢印に従って行きますと、これがまた質素な、普通の民家の勝手口のような入り口が有るだけなのであります。
    で、網戸を開けて店内に入りますと、由緒正しいラーメン屋風のテーブルがぎゅうぎゅう詰めで3つありまして、正にラーメン屋なのでありました。
    うひゃぁー・・・こりゃぁしまった所に入っちまったかも知れないと思いつつも壁の品書きを横目で見ると・・・定食もいっぱいある。
    へぇー、こりゃぁアレだ、向かいの警察の御用達で繁盛している、知られざる鳴子の名店なのであるな、とおっさんは瞬時に察した訳であります。
    おっさんは「チャーシューメン」800円なりを注文してテレビを眺めようと首を傾けました。
    しかし、狭い店内で無理して高い所に設置されたテレビを見るのには、痛めた首で思いっきり上を仰ぎ見なければならない訳であります・・・首疲れる。
    で、肝心のラーメンでありますが、由緒正しい田舎のラーメンでありまして、塩っぱいのが好きな人には丸であります・・・ラーメンライスには最適の味で有りましょう。
    結局このラーメン屋の店名はどこにも発券する事が出来ず、たぶん、店名が「ラーメン屋」なのであるな、と納得したと言うお話で有りました。

     ここから一気に家まで、1時間15分でありました・・・ガソリンは、140キロ走って5リットルでありました。
    おっさんの20年振りのプチツーリング、もうちょっと大きなバイクなら国道での気持ちも余裕なんですがねぇ、まっ、借り物でしたから。






     


    まあ、ネタは新鮮ですが信憑性は・・・?


    行った温泉について 質問を承っております


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