気ままに ぶらり行く 温泉



    バイクツーリングで立ち寄った温泉


     本日は甲子温泉に入ってみました

       朝6時10分、友人と待ち合わせの白河のデニーズを目指して出発・・・待ち合わせは概ね10時。
    おっさんの愛車はホンダスーパーカブ110の変な水色・・・はっきり言って非力です。
    まっ、非力なんですけれども、とりあえずはピンクナンバーなんで制限速度で白バイに無闇矢鱈と捕まる危険は無く、国道の流れなんかには乗れるんで長距離も行けるだろう予想はして行くんですが・・・。

     おっさんの家は山間部なんで国道四号に出なくちゃ話しにならないんでありますが、さて、どこから出るか?順当なら大河原なんだけれども・・・まっ、行って見るっちゃ、と。
    ほとんどガス欠状態だったので一番近いスタンドで満タン給油・・・2.92リットルー447円・・・小食です。

     結局は普通に走って大河原から国道4号に出たんでありますが、いや、寒いのなんのって、ライニング入りの山ズボンに合羽のスボンを履き、半袖の下着とポロシャツの上に長袖のジャージとインナーダウンの上に合羽を羽織っている訳であります。
    これで寒いんじゃぁドーしようもありません・・・ああ、手袋も冬山用の厚手でした。
    しかし、寒くて震えるとか言うんじゃ無しに、レッグシールドからはみ出す腿の辺りとか、足首がすーすーすかすか、なんて言う感じで冴えない訳であります。

     国道の流れは思ったほど混んではなく、おっさんの非力なカブではそれが塩梅良いのか?福島市の手前、桑折町あたりまではすこぶる順調でありました。
    しかし、福島市の手前で通勤ラッシュに捕まってからと言う物はバイクと言えども好き勝手には走れなくなり、様子を見てはバス優先レーンなどを利用して前に出ては少しでも速い前進を試みるのであります・・・いや、朝の街中のこんな乗り方のバイクって超久しぶりなんで勘が掴めないし、今時の道路交通法規もバイクのルールも知らないんで、バスレーンて走って良いんだっけ?なぁーんてもたもたしてしまうおっさんなのでありました。
    今ふと気が付いたんでありますが、福島市内を抜ける道っておっさんが大昔し仕事で走っていた頃とほとんど変わらなかったな・・・アレですか?川に挟まれた街なんで結局は橋がネックでそう言う事なんでありますか?

     しかし、福島市の中心部を抜けてバイパスに入ってから郡山市までは逆にもの凄く速い流れに圧倒される事になるのであります。
    いや、現行犯ではないので書いちまいますが、90キロしか出ないカブがフルスロットルで行く場面がある訳です。
    いいえ、そうしないと流れに乗れない訳で、仮に弱気になって道を譲るなんて事をしたらビュンビュンと抜きまくられる訳で、それは却って危険だし恐怖を感じる訳であります・・・いや、だからかなのかドーか?白ナンバー原付は走っていませんでした。

     で、郡山はバイパスが良く出来ていて市内をパスするんで素早く抜けれれて快適でありました。
    で、須賀川を過ぎた辺りからですか?完全に一車線になってジタバタしてもしなくても態勢に影響のない速度に落ち着いちまって流れに乗って白河まで行く訳であります。

     白河のデニーズには9時45分着でありまして、走行距離は165キロ・所要時間は3時間35分でありました。

     さて、朝飯など喰って埼玉の戸田から来る友人を待っていた訳ですが、こ奴は無類の方向音痴でしてナビを見ながら目的地に行けない珍しい人な訳です。
    で、9時40分に白河に入っているのにデニーズにたどり着いたのは10時10分でありました・・・不思議な人です。

    甲子温泉 大黒屋にて

     なんだかんだもたもたして白河を出発したのが10時50分でありました。
    次の目的地は国道289号線で甲子温泉の大黒屋を目指すんでありますが、この頃から快晴で気温が上がりツーリング気分は最高に盛り上がる訳であります。
    289号に入って直ぐ給油をしまして、走る事僅かに25分で峠を登り切り4キロもあるトンネルを抜けたらすぐに大黒屋の看板が目に入りましてトコトコと温泉へ降りて行った訳です。
    大黒屋、今は簡単に行けますけれども、この峠のトンネルが開通する前はさぞかし大変な道を辿って来たんだろうなぁ、と想像させる場所にある訳です・・・今は白河から目と鼻の先ですが。

    甲子温泉 大黒屋 大岩風呂


     さて、恐らく旅館は新築なんだろうな、と言う感じで落ち着いた雰囲気ですが、今風であります。
    入浴料の630円を支払いまして300年の歴史を持つと言う大岩風呂へと向うと・・・まっ、山登りが好きなおっさんには屁みたいなもんですが一般人にはちょっとキツイ登り下りがある訳で、昔から川沿いに開けた温泉に有りがちな、湯上がり後に大汗をかかされる風呂場でありました・・・阿武隈川の源流を釣り橋を渡って行くのであります。

    大黒屋 大岩風呂

     で、風呂でありますが・・・いや、広いだけなら他にもナンボでもある訳ですが、深さが120センチもある訳でして、立って入るしか無い風呂な訳であります。
    いや、風呂の縁には腰掛けて肩まで浸かる程度の塩梅の良い台の岩が沈んでいるんで何の問題も無いんですが・・・。
    ああ、ここは混浴でありまして、おっさんらが入って行った時にはご夫婦と思しき二人が入っていた訳であります。
    で、遠慮しながらおっさんらが入って行くとお婆ちゃんはそぉーっと上がって行った訳であります。
    いつも思うんでありますが、混浴の風呂に行ってお婆ちゃん未満の女性に出会った事はほとんど無いんでありますが、ドーしてテレビの画面だとあんな風な事になっているんでありましょうか?
    で、おっさんの連れはえらく感動していた訳ですが、彼は建物や風呂の大きさや変な仕掛けに簡単に騙されるタイプなんで、湯の素性とかは気にならない訳であります。
    で、おっさんはここのお湯は可もなく不可もなく、普通に癖の無い温泉であるなと言うのが偽らざる感想でありました。
    で、能書きにはpH値は中性と書かれているんでありますが、ほんの少しの粘度とつるり感があるのでアルカリなんじゃないか?と読んだんでありますが・・・無味無臭無色透明で、源泉掛け流し加水加温無しの素直なお湯で好きな人は好きなんじゃないのかな、と・・・。


     甲子温泉 大黒屋 大岩風呂・・・うんちく

     泉質    単純泉
     成分    硫黄・カルシウム・ナトリウム・硫酸塩
     効能    神経痛・リュウマチ・疲労回復・切り傷・皮膚病・通風・高血圧・疣痔
     飲用    不可
     入湯料   630円 手ぶら可 
     特記事項  飲用可・・・3.11の地震で湯量が増え、湯温が2度上がったのだとか





     風呂から上がってバイクを走らせるまでは汗が噴き出すような感じで、ダウンジャケットは脱ぎました。
    ここからは只見町を抜けて新潟県の小出に出て、連れの実家である南魚沼市の大倉と言う所まで行った訳であります。
    289号で只見町へ出る前に深沢温泉「むら湯」があり、ここに立ち寄ったんでありますが、食堂でチャーシューメンを食ったら眠くなり、居眠りしている間にタイムアウトで風呂には入れませんでした・・・いや、一昨年入っているし。

     田子倉ダムの脇を登る国道252号線の景色は山が残雪に輝く今が一番なんじゃないでしょうか?
    おっさんは山に登る者として、田子倉の駅から登り始める浅草岳に惹かれる訳であります・・・何度もここを通過している訳で、何時かは登るぞと思うばかりで実現しなくて、悔しいです。

    田子倉ダムを見下ろす展望台にて、気取るおっさん

     そんな訳で南魚沼の八海山麓の友人宅は勝って知ったる他人の家な訳で、隣近所の若い衆も旧知の仲な訳であります。
    でありますから皆が持ち寄った酒と魚で宴会などした訳ですが、少し飲み過ぎて翌日の出発が遅れたのは御愛嬌でありました。

     本日から友人の弟も250CCのスクーターで列に加わり、会津若松まで行くのであります・・・目的は、会津坂下の居酒屋と会津若松のしけたスナックで呑む事だけであります。

     

    只見町 只見温泉保養センター


     昨日通った国道252号を只見まで、目的地は「只見温泉保養センター」であります・・・いや、大した物ではないとは思うんでありますが二〜三年前に訪れて定休日で門前払いを喰らっているのでドーしても入りたかったのであります。

    これが宿敵の只見温泉保養センター外観です

     さて、お写真の外観から想像出来る通りの中身でありまして、はっきり言って特筆すべき物は何もありませぬ。
    いや、しかし、この辺りにも結構な数の温泉があるのではありますがそれぞれにお湯に特徴が有り、さも無い小さな風呂にトンでも無く良い湯が在ったりする訳でありまして、田舎に行ったならば「蕎は喰ってみろ、風呂には入って見ろ」と昔から言われている訳であります。

    ヒメサユリの写真が目を惹きます?

     で、お湯ですが・・・茶褐色で見た目は少し重たい感じですが、しかし中性でありましょう・・・感触が軽い訳です。
    はたして、成分表示では、中性の塩化物泉と言う事で読み通りなんでありますが、茶褐色は恐らく鉄分であろうと思ったんでありますが、2鉄も3鉄も無いのであります・・・まっ、シロートには難しい事は分かりませんが、強塩泉でとても塩っぱくて暖まる温泉であるな、と言うのが感想でありまして、おっさんは色の着いているお湯が好きなのでこれは丸で在ります。
    高張性温泉って、大抵濃い塩味なんですが、浸透圧が高くて珍しいと記憶していたんですけれども・・・成分総計37.7g/kgは日本でもトップクラスの濃い温泉だとおっさんは思うんですが、如何に?

    只見温泉 温泉保養センター・・・うんちく

     泉質    ナトリウム・塩化物強塩泉(中性高張性温泉)
     成分    カルシウム・ナトリウム・カリウム・マグネシウム
     効能    神経痛・リュウマチ・疲労回復・切り傷・皮膚病・通風・高血圧・疣痔
     飲用    不可
     入湯料   500円 手ぶら可 
     特記事項  お土産売り場・食堂併設・休息無料





       さて、ここからは国道252号で会津坂下まで行く訳ですが、途中に有名な早戸温泉「つるの湯」が在って、目指すはそこな訳です。
    しかし、金山町辺りで友人弟のバイクが故障して動かなくなっちまった訳です。
    まっ、バッテリーをつなぐと取り敢えずエンジンは掛かるけれども走り出すとまた直ぐ停まる訳です・・・いいえ、バッテリーは出発前に新品に替えていますから。
    と、言う事で、これは発電しないんだろう、若しくはチャージ出来ないんだろうから部品が無くちゃ話しにならないと言う事で、お前はバイク屋にピックアップしてもらえ、と決定した訳です。
    しかし腹が減っているし、福島ローカルでは超有名らしいメシ屋を目指していた訳で、そこまでは騙しだまし走れ、とブースターケーブルを繋いだまま走って行った訳であります。

    ドーですか?おっさんの友人の新聞配達用カゴ付きのカブは?

     そんな訳でだいぶ遅れて早戸温泉「つるの湯」への曲がり角に辿り着いたのは既に2時半を回っていた訳であります。
    で、勇躍バイクで温泉目指して降りて行くと何やら土方の人達がゴニョゴニョやっている訳です・・・とても嫌な予感。
    まっ、結論から申し述べますと、訳は分かりませんが断水で緊急工事を執り行っているので本日は臨時休業であります,との事でした。
    はあーっ・・・「何処か別の所へよるかぁ?」とおっさんが言えば、連れはあんまし風呂が好きな訳でもないので「早く宿へ入ってビール飲むべし」と宣うので、んじゃぁ宿へ直行だな、と、会津若松のルートインへ一目散でありました・・・いや、この宿にも温泉が在ると奴がネットで見つけたんでありますが、おっさんはここが人工ラドン温泉である事は先刻承知なので興味は無いのでありました・・・まっ、朝飯付き5900円は魅力でしたが。

     で、酒には意地汚いおっさんの友人と弟と、古い友人の四人で呑んだんでありますが、奴らがいつまで経ってもふざけているんでおっさんは翌日を考え、朝の白み始める3時過ぎには宿に引き上げた訳であります・・・奴らは朝まで呑んでいたらしいので起きられないと読んで、無視して独りだけ先に出掛けた訳です。

     

    道の駅喜多の郷 蔵の湯


    蔵の湯 外観

     ホントーはおっさんももっと寝ていたかったんでありますが本日はドーしても立ち寄らなくてはならない温泉が在る訳で、寝ている訳にはいないのであります・・・せっかくの朝飯付きも9時までに喰わないとダメなんで嫌だけど無理繰り起きたのでありました。
    で、会津若松から喜多方は勝って知ったる道路でありまして、米沢まで今のトンネルが出来る前、地獄のような峠道を落ちそうになりながら超えた時代から通っていた訳であります・・・まっ、仕事なのに趣味で通っていたんですけど。

     会津若松から30分ほどで喜多方の道の駅喜多の郷へ到着でありました。
    まっ、道の駅に温泉併設と言えば大体の推測は出来ちまう訳でありますが、やっぱし推測通りでありました。
    しかし、会津の人の気質と言うのは他とは違うと言う気概を見せるのが良い所でありまして、食堂のメニューにはこれでもかぁーと言う変なメニューが沢山並んでいて、有名芸能人が食している写真がブチ並んでおりました。

    蔵の湯の、眺めが良いと評判の露天風呂ですが、大した事は無いです

     さて、雑誌では400円となっていますが、只今は500円になっているようでして、それを支払って中ヘ行きますと、手前に貴重品入れのロッカーが在るのでそれにウエストバックなど入れて脱衣場ヘ行った訳であります。
    すると、そこには鍵付きの大型ロッカーがドカンと並んでいまして、あの小さなロッカーの意味が良く分からないややこしさな訳であります、が、まっ、広々とした脱衣場は好感が持てました。
    で、お湯は・・・単純泉でありまして、加水・加温の、普通に何の変哲もない温泉であります・・・たぶん(成分表示が見当たらなかった)。
    で、大型の施設でありますから屋根付きの浴槽もばかでかく、開放感は抜群でありまして、近郷近在の家族連れが1日過ごすのには良い施設であるな、と思います・・・秘湯では在りませんからね。
    で、露天風呂も何処にでもあるソレでして、やっぱしナンの変哲も無い訳でありますが、そこはそれ、大型施設のそれでありますから・・・。

    道の駅喜多の郷 蔵の湯・・・うんちく

     泉質    わかりま泉
     成分    不明
     効能    神経痛・リュウマチ・疲労回復・疣痔
     飲用    不可
     入湯料   500円 手ぶら可 
     特記事項  大型トラックが余裕で停められる





     

    姥湯温泉 桝形屋


     喜多方から米沢は昔は簡単には抜けられなかったんでありますが、今は冬期でも抜けられるんだそうで、時代であります。
    本当はもっともっと立ち寄りたいお湯が沢山在るんですけれども、本日は予てから懸案の「姥湯」が第一目標でありますから他は目を瞑ってでも行かねばならぬのであります。
    いや、東北の温泉を語るのには絶対に欠かせないと言う人が多いもんで、それならやっぱし一度は入っとかなくちゃ、と言う事な訳であります。
    で、直ぐ近くにはこれも名湯で名高い滑川温泉も在る訳ですから、同時制覇を目論む為にも他のお湯には立ち寄れない訳であります。
    姥湯へは吊り橋を渡って行くのであります。

     そんな訳でかなり期待して、秘湯中の秘湯を思い描いて行った訳であります。
    で、国道13号から温泉を目指した山道は普通自動車が一発では曲がれない、スイッチバックを必要とするカーブなどが有り、それは秘湯ムード満点な訳であります。
    で、へぇー・・・なるほどなぁ、と山道を登って行きますと、突然目の前がドドーンと地獄谷の様相になって開けと姥湯に出る訳であります。
    この景色は確かに一般人には値千金かもしれませんが、山歩きをする人には左程珍しモノではなく「ああ、岩山の谷なんだぁ」と言うだけの物でありましょうか?
    まっ、それでも借景としての谷は凄いんですが、湯煙や噴煙の量や硫黄臭に煽られる事が有る訳でも無いので、正直に言えば大した迫力ではないなとおっさんは思った次第であります。

    露天風呂にタコおやじ、であります

     さて、木戸銭の500円を支払いまして入れるのは露天風呂だけ・・・いや、それで結構であります、と言う事で奥へ進む訳です。
    ドーなんでしょうか?先の地震で崖が崩落したとか、敷地の法面が緩んだとかが在るのでしょうか?至る所に土留めの土嚢袋の積み上げられた姿が痛々しく、景観美が損なわれているのであります・・・いやぁ、これは一寸見る方も心痛いと言うか、はっきり言って見苦しいと言うか。
    大自然の真っただ中なんでそう言う事なのかもしれませんねぇ・・・なんて思いながら脱衣場に行きますと、山には付きもののあの黒い虫が大量について来る訳であります。
    いや、油断するとすぐにおっさんの柔肌をかじる訳で、タオルでペシペシと叩き落としながら行かないと危ないのであります。
    そんな訳で随分歩いて辿り着いた露天岩風呂なんでありますが、風呂しかない訳で、ケロリンの黄色い桶が転がっていたんですけれども、誰もいないし虫に襲われるんで掛け湯もそこそこに湯に飛び込んだ訳であります。
    いや、強酸性の白濁湯は流石でありまして、黙って入ればぴりりと滲みるのであります。
    湯温も適温でありまして、源泉掛け流しは濃いお湯でありました。
    まっ、話しの種に一遍は訪れなくちゃならないんでありましょうけれども、おっさんが再び訪れる事はないかも知れないなぁ・・・なんちゃって。
    で、なんとなくですが、確かに野趣に富んでいる風呂では在りますがこの程度でそんなに騒がれる事もなかったと思うんで、多分地震で相当様子が変わっちまったんじゃないのかと思うんであります・・・いや、前を知らないんで弱いですが。

    「姥湯温泉」・・・うんちく

     泉質    強酸性 硫黄泉(おっさんの推測)
     成分    硫黄・舐めたら酸っぱい
     効能    神経痛・リュウマチ・疲労回復・皮膚病・疣痔
     飲用    たぶん不可
     入湯料   500円 タオル販売あり  手ぶら可 
     特記事項  飯は喰えないので腹ぺこでは行かない事



     滑川温泉 「福島屋」

     姥湯を出たのが1時近かったもんで何か喰いたかったんでありますが土産物とビールは売っているんですが食堂などは無い訳です・・・しょうが無いねぇ、次で喰うか、と姥湯から下って10分ほどの滑川温泉に向った訳であります。

     
    福島屋 外観

     やって参りました滑川温泉・・・なんと言っても開湯が宝暦13年でありますから、それはそれは古い訳です。
    で、宝暦13年と言うと、西暦1763年で、小林一茶が生まれ、幕府が大名へ生涯に一度は正室を迎えるよう触れをだした年である訳です・・・分かり難いですか?
     
    福島屋は泊まってみたいな、と思わせる、言葉にできない味があります。

     そんな訳で建物の佇まい、立地、辺りの雰囲気の総てがおっさんにはストライクでありまして、こりゃぁ期待で来そうだな、と胸が躍る訳であります・・・しかし、ここも食事などは出来なくて目眩がするほどに腹が減っている訳であります。
    なんとも古式豊かな玄関から中に入りまして500円なりを支払って、いざ風呂へと。
    いや、外観だけでも十分に古めかしいんでありますが、中身は柱が黒光りしている訳で・・・でも、ここまで黒いと言うのは塗っているんでありましょうか? まさか、囲炉裏の時代の煤け?では無いですよね?

    露天岩風呂は木々の緑が写っているのでは無く苔が生えて緑なのです

     まずは敷地内の一番奥の「露天岩風呂」に行った訳ですが、現認出来る範囲に人影はおっさんだけであります・・・ひょょょ、貸し切り状態かぁ、と。
    で、掛け湯などして湯の温度を見ると、無色透明な湯は快適温度でありまして、一気にざぶんと沈んだ訳であります。
    で、その時、脚の裏ににゅるりとした感触がある訳ですが、それは堆積物などの物ではなく、明らかに苔のぬめりなのであります・・・温泉のそこに苔か?始めてだな・・・そうか、源泉垂れ流しのまるっきり自然の状態なのであるな・・・これは、野生の風呂であるな、と感動した次第であります。
    いや、噂では乳白色のお湯と言う事なんでありましたが、本日は無色透明で何か事情が変わったとかあるのかも知れませぬ。
    しかし、最上川の源流を眺めながらのんびり浸かる岩風呂はホントーに気持ちがよいです・・・いいえ、源泉垂れ流しの天然であるからこその苔でありまして、その他、蜂が浮いているとか蛾が沈んでいるなども趣きのうちであります。

    川の流れの直ぐ脇の「露天檜風呂」です

     さて、次なる風呂は「露天檜風呂」でありまして、これも期待に反して無色透明の軽いお湯でありました・・・乳白色の湯は何処に?
    ここは小じんまりとして4人も入れば一杯かな、と言う感じの風呂でありますが、眺めとゆったり感は最高であります。
    で、檜の性質上なのか、木の上は恐ろしく滑る訳です・・・いや、お湯はツルツルしている訳じゃないんですけれどもね。
    ここも源泉垂れ流しで、恐らく天候や気候で風呂の温度は変わる物と思われますが、本日は適温でありました。
    しかし、今の時期の若葉は何処で見てもキレイだと言うのを割り引いても、ここの川沿いの眺めは心底和みます。

    これが、この内風呂が福島屋の真打ちでありましょう

     さて、死ぬほど腹が減っている訳で、これ以上湯に漬かったら浮いちまうなと言う事で内風呂はいいや、と玄関に向って歩いていた訳です。
    しかし、内風呂へと下りて行く階段が何故かおっさんを誘っている訳です・・・ひとっ風呂浴びて行きなよ、これが温泉だよ、と誰かがおっさんに囁く訳であります。
    そうかぁ・・・んじゃぁ寄って行くか、で階段を下りて行く訳ですが、この廊下が既におっさんの心に滲みる訳で、何も言う事は無い訳です。
    で、風呂でありますが、乳白色のお湯はここに在ったのであります。
    いいえ、露天風呂とは源泉が違うのか、細かい事は分かりませんが、とにかく、一番最初に山を見て、火山の性質を見て予想したのは乳白色の硫黄臭いお湯だった訳で、ここでやっとおっさんの総てが納得した次第であります。
    いや、世の中露天風呂ばかりがもてはやされる傾向にある訳ですが、山間の古い温泉宿の湯ならば内風呂が一番良いとおっさんは確信している次第です。
    だから、姥湯は日帰り客には露天しか入れてくれませんよね・・・一番良いのは内風呂なんですよ、きっと。
    で、この風呂は泉質が云々とか、眺めがどうこう言う評価には値しない風呂でありまして、湯に沈んだならば今日までの時間の流れを静かに肌に感じるべき、そんな類いの風呂なんであるな、とおっさんは思ったのでありました。

     滑川温泉「福島屋」・・・うんちく

     泉質    低張性中性高温泉
     成分    カルシウム・ナトリウム・炭酸水素・硫黄
     効能    神経痛・リュウマチ・更年期障害・疲労回復・打ち身・くじき・疣痔
     飲用    可
     入湯料   500円 タオル販売有り  
     特記事項  食い物は袋菓子とカップ麺しか売っていないので腹ぺこで行くのは厳禁



     番外編・・・峠の茶とスイッチバック

     死ぬほど腹が減って、意識朦朧で峠の茶屋を目指した・・・いや、先日山仲間のS氏からこの風呂の近くの峠駅の蕎が美味い、と言う情報を得ていた訳で、そこで喰う事に決めて居たんであります。
    しかし、時刻は既に2時近くな訳で、果たして営業しているんだろうか?であります。
    で、峠の茶屋は意に反して2軒在って、方や「力餅」を売り物にし、こなたは「山菜」を売り物にしている様子なのであります・・・うーむ、蕎に合うと言えば餅よりも山菜じゃないか?と言う事で「峠の茶屋江川」と言う方へ。
    あいやぁ・・・暖簾が仕舞ってあるし、これはやってない雰囲気だよなぁ・・・あれっ?人がいる・・・で「すいませーん、何か喰いたいんですがぁ?」と言うと、とても気持ち良くどーぞどーぞと店内に招き入れてくれた訳です。
    うひゃぁー助かったぁ、と上がり込んで、蕎と焼きおにぎりと山菜の天ぷらと山菜一式の定食のできるまで、不届きにも座布団を並べて横になって寝たのでありました。

    これに焼きおにぎりが加わるのです

     いや、この店の持つ雰囲気はおっさんを一発でめろめろにしてくれました・・・おっさんの拙い言葉ではとても書けませんで、滑川温泉に浸かってここで山菜とそばを食う為だけに仙台から脚を伸ばすのに十分な理由があると・・・出来れば空いていそうな平日だと止まったままの時間がそこかしこに転がっているのが見られるかも知れません・・・なんちゃって。

     飯を食って腹いっぱいになって、少しうたた寝などさせてもらってから峠駅周辺を散策しました。
    スイッチバックでないと汽車が上り切れなかった時代にとても重要な役目を担っていた峠駅ですが、今は静かでした。

    峠駅の駅前にて

     峠駅を出たら曇ってまして、風も強くなったんでダウンを着込み合羽を羽織り、手袋も冬用に替えて完全装備で帰途につきました。
    峠駅を3時10分出発して家に着いたのが6時でありました。
    この度の走行距離 780キロ 給油13リットル





     


    まあ、ネタは新鮮ですが信憑性は・・・?


    行った温泉について 質問を承っております


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