よたよたと、山登り


    No.101

       

    土砂降り的山登り

         9月03日 土曜日 曇り時々雨? 雨時々曇りか?

     本日はお日柄も良く、滅多に無い台風がやって来るという絶好の山日和であります。
    しかも、大雨警報が出ているというのに目指すのは「沢」であります・・・本気です。
    いや、事前の打ち合わせで沢の様子次第では普通に登山道を行く事にはなっていたんでありますが・・・そこまで大人気無い我々でもないのでありまして、まずは全員の安全が第一、で、好奇心はもっと優先・・・?と言う控えめな山行がモットーであります。

     我々は自称「罰当たり組」と自戒を込めて名乗っている訳でありますが・・・いや、おっさんが勝手に名乗ってしまっているんでありますが、これには深い訳が有るのです。
    いや、船形山のご神体の一つである「不動岩」にロープを掛けて登っちまう罰当たりな奴ら、とか、滝の原の神社の滝にロープを張って登っちまう罰当たりな組と言う意味で「罰当たり組」と言うのも否めない訳でありますが、ホントーは違うんです。
    はち当たり組の組長は「千葉B氏」な訳でありまして、これは分家な訳であります。
    本家はと言いますと「船形山のブナを守る会」でありまして、統括はそこに委ねられているのであります。
    序でに申し上げますと、船形山のブナを守る会には会費も会則も有りませんので当然分家の「罰当たり組」にもそのような面倒くさい物は無いのであります。
    おおっと、「罰当たり組」の名前の由来でありますが・・・千葉B氏の千葉をひっくり返して「ばち」なので、語呂合わせに適当な物を挟んでみた所が、「罰当たり組」がとても据わりが良いという事で、勢いと惰性で使っている訳であります・・・しかし、名は体を表すとも言う事で、けっこうバッチグーなんじゃないのかと思うんであります。

     いや、台風だからさ、沢はヤバイっ茶ねっ、とかナントカ言いながら全員がハーネスを着けているというのはナンなんでありますか?
    しかも、ンじゃぁ俺、登山靴は車において行くはぁ、と言う事は、沢に降りる事意外は考えていないという事でありまして・・・大人の選択でありますね。
    登山届けをきっちりと書いて裏コースから大行沢沿いに行って水量を測り、適当と思われる所から入渓と言う段取りで有りました。

    昨年は渡れたんでありますが今年はいよいよダメでありますね

     いや、大行沢と林道が平行になっている辺りはゴルジュ帯な訳で、ノドとでも言いますか、水量は多く勢いもよい訳で、最初の計画の大行沢完全遡行は端から諦めていた訳です。
    しかし、京淵沢を過ぎてもまだちょっと水量が多く心配なんで、せっせと登山道を登って行く訳であります。
    それにしても大東岳の裏コース、随分と道筋が変わったもんであります。
    おっさんが睾丸の美少年であった時分には殆ど沢通しに行ったもんでありますが、近頃はだんだんと上へ上へと撒き道が出来ている訳です。
    それに加えて下山に使われる事の多い裏コースはジグを切ってある登山道をショートカットして下る輩が多いと見えて登山道の痛んでいる箇所が見受けられたのであります・・・心痛い話であります。

     
    滝の勢いがこれですから、支沢をやり過ごさないと降りられません。

     そんな訳で安全第一をもっとに入渓点を探して来たらほとんど北石橋への分岐に近い所まで登っちまった訳です。
    で、雨でぬかるんでズルズルの斜面から滑り落ちるようにして沢に降り、いよいよ遡行開始、でありますが、大行沢のおいしい所は殆ど終わっちまっている訳です・・・ああ、今年の夏の〆の沢なんだけれどもねぇ・・・訳あって夏は明日、9月4日までと法律で決まっている訳ですから。

    時折強い雨も降りますが、沢ですから濡れて当たり前ですから

     さて、時折強い雨が降り上の方の稜線では風も吹いていそうなんでありますが大行沢も上流部は静かでありました。
    まあ、これなら安心だよな、と言う事で、それでもいつもの倍以上の水量にはなっている沢を、ピチピチチャプチャプランランラン、と遡行するのでありました・・・流れはナンテ言う事無いんですけれども、大行沢にしては流木というか倒木が多く、このところの雨で表土が流されて倒れた樹木が多い事が伺えました。

     
    雨の日の沢の趣もまた格別であります

     おっさん以外は皆さん合羽を着用でありますが、これも悩ましい問題でありまして、中から蒸れるか、外から濡れるか・・・貴方ならドーする?・・・熱いのが苦手なおっさんは雨に打たれる方を選ぶ訳でありますが、これが台風からの雨なんで生暖かい訳です。
    そんな訳で沢の水も全く冷たく無く、時に流れ込みの水をすくって飲んでみても生温くて美味く無いんであります。

     
    北石橋と、その滝を登る千葉B氏。

     そんな訳であっという間に北石橋への分岐に到着して、んじゃぁ本日のハイライトに石橋を見に行くべし、となったのは殆ど必然的でありました。
    で、おっさんも含めて過去の記憶ではほとんどすぐそこ、の意識で出かけた訳であります・・・おっさんは30分と掛からないと記憶していたんでありますが、足場が悪かったという事も有りますが、概ね1時間程も掛かっちまった訳です。
    いや、アップダウンのしつこさは一寸辟易しました。

     
    ジャージにドカヘルで滝を登るおっさんの勇姿

     いや、しかし、久しぶりに見ましたけれども北石橋は見る価値ありです。
    こんな不安定な格好なのに先の大地震でも落ちなかったのは大したモンであります。
    三浦S氏と話していたんですけれども、石橋までの沢を詰めて登りたいねぇ・・・出来れば石橋から先も行っちまいたいねぇ、と話は弾む訳であります。
    余談ですが・・・京淵沢の撒き道から見える滝は越せると思いますか?おっさんは行けると思っていますので、雪が降る前にやってみたいと思う次第であります・・・いや、その滝を越したら屁みたいな大人しい沢なんでそこだけの勝負なんですけれどもね・・・梯子掛けたらインチキですか?

    雨の降りしきる大行沢を行く三浦S氏・・・漂うのは哀愁、ですか?

     当初の計画は、大行沢・トヨノ沢完全遡行で、穴戸沢を下る、でありました。
    しかし、もろもろの事情と天候を鑑み、しょぼい感じの大行沢一部遡行になっちまった訳であります。
    で、ありますが、台風の日に沢に居る事自体が殆ど常識はずれな訳でありまして、中止はあり得ない「罰当たり組」としては安全との鬩ぎあいの中で、これが限界であろうと、皆が納得している訳であります。
    そんな中で北石橋へ行ったのは本日の山行に花を添えるという意味で大正解でありました。
    普段は見られない水量で落ちる滝と、その上のもう一本のナメ滝もいつに無い見事な流れを見せてくれ、台風の日ならではの北石橋を堪能したのでありました。

     
    大行沢の最後の詰めの滝を登る三浦S氏

     なんだかんだ言って北石橋から戻ると2時を過ぎていて腹が減っちまって堪らない訳です・・・小屋に行ってメシ食うべしぃ、と。
    で、三浦S氏が特別腹が減っていた物がドーか、ズンズンと行く訳であります。
    一時かなり強い雨が降った瞬間、僅かの間なのに水の勢いが増し、いつもなら濡れていない淵のへつりが大行沢らしく無く難しくなっていたりして、思いのほか時間を食う訳です。
    倒木や流木もいつになく増えていますし、水も濁って深いんだか浅いんだか良く分からなくて足がでないんであります。
    が、三浦S氏はガシガシと行く訳であります。

    おっさんと三浦S氏はかなりのガニマタなんですが、千葉B氏もそうかもね?

     うひゃぁー随分降って来たねぇ・・・こりゃぁ小東岳はちょっと無理かなぁ、なぁーんて元から行く気なんか更々ないのに、取り敢えず言ってみる訳ですが、誰も本気にはしていない訳です。
    それが証拠に、千葉B氏は小屋で荷物を降ろして一番先にやった事はビールを冷やしに行く事であった訳です。
    樋の沢避難小屋は以前見た時よりも随分と奇麗になり、これならOKでないのぉ・・・と言う感じで良くなっておりました。
    で、隊長の判断で、本日は貸し切りのため後から人には一回を使ってもらうという事で、我々は二階を占領して荷物をぶちまけ好き勝手に使った訳であります。
    ナンなんですかねぇ?この小屋は採光が悪いのか、窓の数は少なく無いのに暗いんでありますよねぇ・・・二階はナンボかマシなんですけど。

     
    おっさんの誕生日にバースデーケーキを運んでくれたY嬢に感謝

     と、言う事で、昼飯を食い始まったと同時に呑み始めまして、そのまま晩飯に突入して呑み続け、夜更け手も話が盛り上がり、完全に明日の事なんか眼中に無く酔いつぶれて就寝したのであります・・・おっさんは誕生日を祝ってもらった事も有って飲み過ぎていつに無くハイでありました。

     朝は一応起きたんでありますが、朝飯を食いつつ、また残った酒をやっつける訳で。
    俺らってさぁ、二日目にまともに行動したのって昨年の層雲峡遡行くらいじゃねぇ?と、誰からとも無く言うと、呑んじまうからなぁ、と自戒ともとれる言葉を吐く訳でありますが、その手にバーボンのカップが握られてる訳で、真実みは無いのであります。

     結局は小屋で昼飯を食ってから下山しましょうという事で、1時過ぎ、重い腰を上げた訳であります。
    それまで降っていなかった雨が急に降ってきまして、やっぱしなぁ、これだもんなぁ、と、帰り道もおっさんだけ合羽を着ずにウィントーブレーカーだけで行く訳でありますが、全然冷たくも無い訳で、ナンだか新緑の頃のような瑞々しい木々の葉に驚きつつ、裏磐司の岩出は滅多に見られない滝を見るなどして本小屋に下ったのでありました。
    後は磐司山荘の風呂に飛び込んでさっぱりして解散と・・・2011年の罰当たり組、夏の予定はこれにて終了でありました。

     まっ、秋の予定もあるらしいので、多分またすぐ山に行くんですけれどもね。

    会    この話 完


    山の状況、情報は適当ですので、ご注意下さい・・・


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