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山登り
よたよたと、山登り
No.104
泉ヶ岳 元朝詣り
01月01日 日曜日 晴れのち曇り時々雪
平成24年 明けましておめでとうございます。
年が明けたからといって何か変わったことが起きる訳でもなく、いつもと変わらない朝なんでありますが、それでも、家の者どもに型通りに正月の挨拶などして餅を食って新聞を眺めたのでありますが、なんか落ち着かないのであります。
時計を見ればまだ九時・・・窓の外は麗らかな初春の日差しが・・・これは、行くしか無いんじゃないか?と言う事で、「元旦から山に行く人なんて居ないんでないのぉ?」と言う家の者どもの声を無視して、がらがらと適当に荷物を詰めたザックを持って泉ヶ岳へ。
泉ヶ岳への名物道路・・・宮城県内一の見通しではないですか?
家を出たのが9時30分頃でありまして、表コース登山口に到着したのが9時55分で、出発したのが10時でありました。
家から山の様子を窺って準備をして登山開始まで僅かに1時間であります・・・なんとも恵まれた環境では有りませぬか?・・・へっ?田舎の唯一の恩恵であるとな? そうとも言えますな。
登山道入り口付近の様子
そんな訳で軽い気持ちで泉ヶ岳に来てみたんでありますが登山道に続くトレースを見てちょっとアレぇ?と思ったのであります。
いや、おっさんの勘では元朝登山の人がそこそこ居るんじゃないのか、と思って、逆に人通りの多さを心配して来たんでありますが、それは大間違いであった訳です。
まっ、なんだかんだ言っても泉ヶ岳ですからね、と、トレースはあると言えば有るし、それはなんとなく心許ないお印ではあるけれども行き先は解るし、でせっせと歩いて行ったのでありました。
杉林を抜けてここから先はドウダン林まで一気ですからねと言う尾根に掛かると、そこそこの積雪があって無雪機よりも足場を取りやすく足が進むのでありました。
そんな訳であっという間に胎内くぐりに来ました・・・が、本番はここからで有ります。
積雪がそれなりになるのと、ここから先はトレースが後から降った雪で埋まっちまっているのか、無いのであります。
いや、行き先が解らないとかの心配ではなく、迂闊に踏み込むとズッポシとはまるのが嫌なんであります。
しかも、岩が隠れているのも解らずにキックステップなど踏み込んではガツンと来る訳で急激にスピードが落ちたのであります。
なんとなく夏道の雰囲気が解る感じですか?
いやぁー参ったなぁ、思ったよりもラッセルがきついんでないかい?と言う事で、胎内くぐりまではズボ足で来たんでありますがここからワカン着用であります。
で、ワカンを履く時に気付いたんでありますが、インナー無しの防寒手袋はダメであるな、であります。
いや、モンベルの防水防寒手袋は安くも無かったんでありますが、これ一枚では歩いている時には良くてもワカンのベルトを締めるなどの作業には不向きで手袋を脱ぐ羽目になっちまう訳です。
まず、泉ヶ岳では気温もマイナス3度程度でありますから裸の手でも危なく無いんでありますが、これが高山や寒い山であったら拙い事になる訳であります・・・うーむ、こう言うモノを買っちまう辺りがおっさんもまだまだであるな、と反省であります。
と、言うか、基本は一番下に水を吸わない毛の手袋にオーバーグローブと言うのを無視していたのがダメなんでありますね。
ワカンを履いても普通に膝下くらいまで埋まりました。
ドウダン林から先はふかふかのパウダースノーの新雪であります・・・新雪の深雪はとても不親切でありまして急傾斜では歩き難くて嫌になっちまいます。
ドウダン林の緩い傾斜の先から偽ピークへの尾根に出るまでは夏道を無視して真ん中を突破したんでありますがこれが間違いでして、ずっぽずっぽと埋まっちまって容易じゃ無いのであります。
カモシカの足跡
さて、偽ピークの登りに掛かるとふかふかの深雪はぶかぶかになってきまして場所によって傾斜がきついと腰まで埋まっちまう訳です。
で、おっさんは、悲壮感さえ漂う雪山で一人で悪戦苦闘している、と言う設定で居るのでありますが、この辺に来るとスプリングバレーのリフトのピンポーンの音とか場合によっては場内アナウンスなんかも聞こえて来ちまって妄想をぶち壊しにしてくれる訳です。
いや、ひょいと右手を見たらスキー場の建物やら駐車場も見えるんですけれどもアレを見ちまうと興が削がれるんで絶対に見ないのであります・・・いや、しかし下山してくる時には嫌でも見えちまうんだよねぇ・・・深山幽谷の雰囲気に浸りたいのにさっ。
山頂手前は真さらで気持ちが良かったです
いや、本日のハイライトは山頂手前の急斜面で有りました・・・泉ヶ岳如きでここまで苦労する?と言う塩梅でしんどいのであります。
まず、雪は軽いんでありますが、粉雪なので踏んでも固まらずに崩れる訳で、キックステップもなかなか効かずにずり落ちるんであります。
で、まず膝を打ち込んで一段目を固めそこへワカンの足を置いて踏み込むんでありますが、それでも傾斜がきついと崩れて登れないんであります。
手近に木など有れば掴んで登るんでありますが、下手に木のそばに近づくと雪の底が抜けて腰以上まで埋まる始末で難儀しました。
いや、マジで止めて帰ろうかなと思ったりもしたんでありますが年初の登山から敗退では今年一年が思いやられるという事で気合いを入れ直して頑張ったのであります・・・1月1日以後、あの無駄の無い直線的なトレースを登った皆さんはおっさんに感謝して下さい、と・・・なにっ?蛇行しては踏み抜いて歩き難くてしょうが無いとなっ?・・・いや、申し訳ないです。
苦節2時間26分・・・山頂到着
いや、汗だくでやっと登り切ろうかという頃から雲行きは怪しくなっちまって北西の風が強くなって来たのであります。
で、ほとんど山頂という辺りまで来ると水神コースやカモシカコースから登って来た人達の足跡が見えた訳です・・・ああ、表コースのみ誰もいなかったのか、と。
いつもなら1時間30分が標準タイムなのですが本日は2時間30分も掛かっちまいまして、やっと山頂を極めたのであります。
おっさんから新年のご挨拶であります
やっと登ったのでありますがすでに風が轟々と言い始めている訳で見渡しても何も見えなくなっちまいました・・・記念写真も押さえたので長居は無用であるなという事でザックからアミノバイタルとソイジョイを取り出しポケットに入れ下山開始であります。
山頂滞在は推定で3分48秒くらいでありましたか?
自分の足跡しかないというのは気持ちが良いです
さて、下るとなったら一気であります。
アミノバイタルをチューチューしてソイジョイを齧り、ワカンを滑られせるように大股でズッポズッポと行く訳ですが、これが楽しいんであります。
時折調子こいて蹴つまずいて転んで雪まみれになるんですけれどもそれがこの上なく楽しいのであります。
なので、わざとショートカットやらして深雪の上だけを転がり降りて行く訳です・・・時折めくれたカッパの裾から大量の雪が入り込み、シャッケェーと大声など上げつつ笑いながら転がるのであります。
で、ドウダン林から先は岩場でワカンが邪魔になるので脱いでズボ足が良かろうと思い外しに掛かったんでありますが、ベルトが凍っちまって容易に外れないんであります・・・面倒くせぇから行っちまうか?で、下山続行。
しかし、胎内くぐりから下の急斜面は雪の付きも不安定でやっぱしワカンは危険でありました。
隠れていた岩や木の根で足を取られ有らぬ方向に捻ったり、岩の上に載ったワカンの爪で滑ったりと・・・まっ、おっさん程の腕前だとナントカ切り抜けますがシロートは要注意であります・・・気をつけないとおっさんのように捻挫しちまいますよ。
12時30分頃下山を開始して車にたどり着いたのが1時半で、家に着いたのがほぼ2時でありました。
いやぁーこんな手軽に雪山を楽しめるって、幸せでありますねぇ・・・田舎者も捨てたもんじゃ無いです。
この話 完
山の状況、情報は適当ですので、ご注意下さい・・・
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