山登り


よたよたと、山登り


    No.105

       

    南蔵王 不忘山

         03月29日 木曜日 晴れ〜晴れ 

     

    ご無沙汰しました


     いや、一月から更新が絶えている訳ですけれども、ンじゃぁ、山に登っていなかったのか?と申しますと・・・ナンボかは登っていた訳であります。
    例えば・・・罰当たり組の新年会で「ホテル船形神社」に宿泊しての参拝山行とか、割り山大滝の水源を詰める山行とか、樹氷を見に蔵王の前山から刈田岳に登るなど、ホントーはネタはあったんですけれども、まっ、気がついたら日が経っていて、なんか今更だよなぁ、と、出遅れていたのでありました・・・言い訳終わり。

     先週の火曜日(3月20日)で今シーズンの営業を終了した白石スキー場から不忘山に登った訳であります。
    先シーズンは都合25回通った、勝って知ったる我がスキー場と言う感じの白石スキー場なんでありますが、リフトが止まり音楽も聞こえず、人の気配が全くしないと言うと雰囲気も様変わりであります。
    で、圧雪しないからなのか、ゲレンデの雪は今でも十分滑れるだけの量がある訳です。
    へえーっ・・・もったいないねぇ、などと思いつつ、登山届けを出しにいつもの所へ・・・。

    雪で入り口が塞がり鍵が掛かっていたロッヂ

     しかし、登山届けを出せと、関係者はしつこく言っているのでありますから、やっぱし受付場所やその体制はちゃんとしているべきだと思う訳です。
    で、もしも、場合によっては出したり出さなかったりで良いと言う事になっちまうと、そりゃぁ誰も出さなくなっちまうし・・・まっ、この度は偶々だったのでしようけれども・・・トイレも当てにしていたんでありますがねぇ。
    と、ブツブツ言いながら出発したのが8時40分でありました。

    Bコースを直登して行きます

     さて、本日の予定コースは・・・「男の直登・一本道」であります。
    これは、白石スキー場のBコース(斜度38度要アイゼン)から、まっすぐ、おっさんが勝手に名付けている「デコッパチピーク」まで直登するコースであります・・・名付けて「男の直登・一本道」であります。
    このコースは最短なのですけれども、雪が少ないと薮を突っ切る事になりとても厄介な上に、樹林帯が終わってからの直登は中々の傾斜できつい訳で、体力勝負の男道であります・・・いや、女性でも難なく行けますけど。
    積雪期の不忘山を目指すのには白石スキー場のEコースの上から入って比較的早く山頂から続く尾根に乗っちまうと、登りの傾斜もきつく無くルートは楽なんであります。
    しかし、風当たりと吹きだまりの雪の事を考えると、おっさんはこのルートは好きじゃ無い訳で、常に「男の直登・一本道」を目指す訳であります。

    雪が腐ってきましたかぁ?

     それにしても良い天気でありまして・・・ムフフ快晴、であります。
    半袖Tシャツに長袖の少し厚手のスポーツシャツに、防風のカッパを着て、下は、股引にジャージと防風にカッパ・・・この辺の雪山はカッパで自由分と言う結論に達しまして、高価で高機能な冬装備は出番が無くなっちまいました・・・スキーの時に着てますけど。
    で、Bコース下でアイゼンを履いて登った訳ですが・・・
    おっさんが高校あたりの山岳部の関係者ならここで雪上訓練をやりますね。
    アイゼン歩行の基礎・ピッケルワーク・滑落停止・ザイルワーク・・・全ての基礎訓練が全く安全な条件で出来る訳です・・・罰当たり組もここでやれば良いのか?

    男の直登・一本道のルートです

     そんな訳でBコースから真っ直ぐ・・・と、言ってもここからはまだピークは目認できませんので概ねあっちの方向で行く訳です。
    この場合、男の直登・一本道では迂回は許されませんので、薮に当たろうとも吹き溜まりに出会そうとも、前々前と突き進むのであります。
    で、不忘山の全貌が見えた辺りでアイゼンでは歩き難くなりスノーシューに代えた訳です。 まず、本日の快晴であれば地図もコンパスも要らない訳でして、前方で雪煙を上げるデコッパチピークを目指せば良い訳です。
    ありゃぁ?・・・雪煙、ですかぁ?・・・吹いているってことですかぁ? と、標高1200メートルは春の陽気でありますが。

    稜線に出ましたがさほどの風ではありませんでした。

     昨年は4月の第一週頃に登っているんですけれども、男の直登一本道は薮が多くてかなり迂回したり避けたりしていたんであります。 しかし、今年は格段に雪が多くホントーに一本道で行ける訳です・・・今年で4年連続で同じ頃に来ているんですが初めてであります。
    で、ピーク手前のきつい登りをこなして稜線に出る手前で第一登山者に出会った訳です・・・ふーん、もう下山か?相当早く出たのかな?など思いつつ、少し遠かったので挨拶のみで通り過ぎた訳であります。

     
    ナイフと言う程ではないんですが、部分的にけっこう狭いです。

     そんな訳で人様の踏み跡のある山頂かぁ、と少しがっかりしつつも広い尾根を進んで行きますと、だんだんと風が強くなって来た訳です。
    ありゃぁ・・・下から見えた雪煙のまんまだなやぁ、と、急速に下がる体感温度に耐えかねて腕まくりを下げ、タオルの鉢巻きから毛糸の帽子に代え、カッパの襟を絞めた訳です。
    すると、程なくして先行者の足跡は途切れました・・・ほぅ、ここで引き返しましたか? 風ですか?氷ですか? と。 で、風に飛ばされるのもアレなんですけれども、雪面が完全に氷化して、氷にも強いNSRのスノーシューの刃が効かないんであります。
    うひゃぁ・・・アイゼン履くかぁ?と、思ったんですけれども、吹きっ曝しのここで荷物を降ろしたら悉く飛ばされちまうだろうと予想すると、このまま行くか? 輝く未来を棒に振らない為に勇気ある撤退か?・・・ウーム、取り敢えず行ってみようと。

    11時30分・・・山頂到着

       こんなに積雪の多い山頂は初めてであります。
    いや、確かに何時もの様に岩が出ているんですけれども、南屏風へ向かう稜線は岩が見えている所は無くしっかり雪に埋まっていますし、不忘の南斜面も完全に雪で埋まっている訳です・・・昨年は岩が露出し黒くなっていました。
    さて、風は烈風なんですけれどもあんまし冷たく無いのが救いであります・・・しかし長居は出来ません。
    朝の予定では南屏風まで行けるかと思っていたんですけれども、ピッケルも持っていないしこの風ですから。
    しかも、先ほどから雲も広がり始めまして小さな気圧の谷でも通ったのか?と言う塩梅であります。
    記念写真の撮影を終えサッサと下山開始であります・・・滞在時間3分。

    山頂から南屏風を望む

     いやぁ、南屏風まで行きたかったなぁ・・・ナンとなれば、不忘の山頂からでも立派な樹氷が見える訳です。
    アレ・・・見たいよなぁ、と、思ったんですけれども、下の天気から装備を削って来ちまった訳で、返す返すもピッケルを持って来なかった事が悔やまれる訳です・・・一瞬迷ったんだよなぁ、と。

    お約束の昼飯・ビールタイムであります。

     さて、山頂から真っ直ぐ下って30〜40分・・・何となく良さげな場所に陣取って昼飯の支度を始めて気がつきました・・・去年もここだった、と。
    うん、日当りとか風当たりとか、立地条件を考えると無条件でここになるのであるな、と、納得であります。
    で、お湯など湧かそうとしていたら一瞬強い風が吹きカップ焼きそばを持って行っちまった訳で、雪面を気持ち良さそうに滑って行くのであります。

    脱走して薮に潜む焼きそばを発見

     もう遠くまで下って行っちまったのかなぁ、と思いつつも食い意地に誘われ少し後を追ってみますと、50メートル程下の薮の中に焼きそばは引っかかっていた訳です。
    いやぁ〜良かった・・・ソイジョイとソーセージだけじゃ寂しいよなぁ、で、ビールと焼きそばの昼飯にありついた訳です。

    Bコースの上から青麻山方向を撮る

     さて、呑んだら乗るな、でありますんで急いで下山は出来ない訳であります。
    本日は昼寝用に断熱シートの大きいのを持って来た訳で、心置きなくひっくり返れるのであります。
    で、春の陽射しを浴びポヤーンとしてそらなど眺めると、番いの鷹が二羽、羽ばたきもせずに上昇気流に乗って登って行くのが見える訳です。
    そんな訳で1時間程も眠ったんでありましょうか?・・・いや、本気で眠っちまう訳ではないと思います。
    すぐそばのダケカンバの根元からウサギが出て行ったのも知っていますし、ホシガラスが覗いて行ったのも知っていますから。

     スキー場に出てからは急なBコースを避けてAコースを下ったんですけれども、ここも雪の量はたっぷりでリフトが動けばすぐに滑れるような感じでありました。
    で、不思議なのは雪の量でありまして、スキー場が営業していた時にはすぐに雪が無くなって困った場所もたっぷりとある訳です。
    皆してあそこは風が強いんで飛ばされるんだなぁ、とか申していましたが、雪を削っていたのはスキーヤーで、そこは本来吹き溜まりでさえあったのです・・・解んないもんですねぇ。
    と、言う事で、車に戻って2時半・・・すぐ下の不忘の湯の露天風呂に浸かってのんびりしてから帰りました、と。


        この話 完


    山の状況、情報は適当ですので、ご注意下さい・・・


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