よたよたと、山登り
No.111
船形連峰 升沢小屋〜湯谷地尾根〜大滝キャンプ場〜鈴沼 など
05月03日 木曜日 大雨
ホントに行くのすかァ?
まっ、コレが他の山だったらおっさんも躊躇するんですけれども、まあ、升沢小屋に逃げ込めば乾いた環境で宴会は出来る訳で・・・ソーなんです(遭難です?)このたびの山行の主な目的は宴会なモノですから、濡れた所や煙い所は嫌な訳です。
と、言う事で、集合してからの作戦会議では、一も二もなく升沢小屋を目指すと言う事で全員一致でありました。
升沢小屋を目指したんでありますが、4月29日にテントと酒類をブナ平にデポしてあるもんでそれを回収して行かなくちゃならない訳です。
従って、ルートは・・・登山道〜ブナ平(デポ品回収)〜花染の尾根〜三光の宮の北側のピーク〜升沢小屋となった訳です。
確かにもの凄い雨ではあるのですけれども、24番から上はほとんどが足下は雪なんで歩くのはなんて事も無い訳です。
で、ブナ林の中なので風も当たりませんで、合羽の中も登山靴もぐしょぐしょですけれども、悲壮な感じは全く無く、それよりも升沢小屋に行けば乾いた服に着替えられると言う希望で一行の歩みはいつに無く軽いのでありました・・・いや、宴会と言いますか、昼飯も食わずに歩いているんで早く小屋に付いてビールなどをやっつけたいと言う事だったのかもしれません。
余談ですが・・・前回から命名させて頂いている「宮城のチャンさん」のザックには、水を6リットルとかテントとか、食料とかで、おっさんの推定では30キロを超えていたと思うんですけれども、いや、流石です・・・体格もそれなりなんですけれども、その荷物を背負って駄洒落を言う訳ですから、脅威と言う他に言葉が見つかりませぬ。
升沢小屋の姿です(5/4撮影)
そんな訳で、全身ぐしょ濡れなので立ち止まって長い休みを取ると冷えちまって都合が悪い訳です。
なので昼飯などはとらずに簡単な行動食のみで歩き続け、午後1時過ぎ、小屋に到着でありました。
で、皆さんそれぞれに乾いた衣服に着替え場所が決まると、誰からとも無くビールに手など伸び、そのまま就寝時刻まで、とりとめの無い話しを繰り返しつつ、だらし無く呑み続けて行く訳であります・・・と、申しましても呑んでいるのはおっさんばかりでありまして、皆の衆はそうそうに寝ちまうんですけれどもね・・・おっさん、良く呑んだなぁ・・・今回(も)。
05月04日 木曜日 霧雨〜曇り
ホントに行くのすかァ? パート2
昨夜割と早く切り上げて寝た千葉隊長が5時少し前には起き出して外に偵察など行った訳です・・・やべっ、雨がやんだから前船に行くとか、湯谷地尾根〜山頂とか言わなけりゃ良いが・・・と、思って警戒していたら、鈴沼を見に行くと言う軽い散歩になり、朝食後、いい加減くつろいで9時頃大滝キャンプ場に向けて出発。
雨は霧雨程度で苦になりません。
で、隊長以下の4名は1200メートルの高度を保って平行移動で大滝キャンプ場を目指した訳です。
しかしおっさんは来年の積雪期(出来れば厳冬期)升沢小屋〜湯谷地尾根〜山頂下カール直登〜山頂と行ってみたいと言う野望の為、升沢小屋から登ると尾根の何処へ出るのか試してみたくて一人別行動で登った訳です。
いや、登り始めてすぐ、思ったよりも複雑な地形で深い沢が入り込んでいて山頂方向へ向きを変えなければならない訳です。
当初の予定では標高差で100なんて無いだろうと思って登ってみたら、なんと、1350以上まで登っちまった訳です・・・うーむ、条件が良ければ山頂を狙った方が近いぞ、と。
しかし、高度を上げるとガスが濃くて何も見えない訳です・・・尾根は所々にヒビが入って一寸不気味ですね、と言う事で、適当な所から下に降りて湯谷地を目指した訳であります。
程なくして千葉隊長の一行を発見・・・上から下を探すと言うのはとても簡単であります。
保野川はスノーブリッジも危うく濁流で渡れません
そんな訳で、本体に合流後は意外に呆気なく大滝キャンプ場に到着でありました。
で、保野川を見ると僅か4〜5日でここまで変わるのかと言う程に雪が融け激流になっている訳です。
何処から見ても渡れそうなスノーブリッジも無く、やっぱし湯谷地尾根を下から辿って山頂に行けるのは4月末までなのであるなと確信する次第でありました。
大滝キャンプ場の小屋の雪が融け全容が見えました。
4月7日に一晩お世話になったキャンプ場の小屋はすっかり雪から解放され姿を現しておりました。
しかし、倒れてのしかかっているブナの巨木もそのままで、ナントも微妙な姿なのであります・・・いや、潰れないと思いますけど中で寝るとなったら気になりますよね?。
で、近くの水場も殆ど見えていて水も少しですけれども流れておりました。
空き缶とか焚き火の後とか、大人数ですね
で、折角の自然の中で興を削いだのが空き缶やら焚き火の後やら燃え残ったペットボトルやらであります。
いや、コレだけ大人数が来た痕跡を残しているのは登山者ではあり得ない・・・背負って来るのに骨が折れるから。
と、言う事で、滅多な事は言うもんじゃないと知りつつも言っちまう訳ですが、小荒沢林道から回って来たスノーモービルであろうと。
いや、ここまで歩いて来るにはそれなりの装備などが必要な訳で、そんな登山者のグループががこんなゴミを散らかしたまま帰るはずも無い訳で、やっぱし荷物を積んで来られる人達となると・・・アレしか無いんだよなぁ。
雪解けの進鈴沼と前船形山です。
そんな訳でキャンプ場から鈴沼に回りまして、雪解け半ばの神秘的な沼など見た訳であります。
いや、ここでも軽く乾杯だと言う事で缶ビールなど忍ばせて来た千葉隊長がプシュっとやりまして、墨絵のような鈴沼に乾杯したのでありました。
さて、11時・・・軽くコーヒーでもやってから戻るすか?と言う声も有ったのでありますが、やっぱし日没前の下山を考えると升沢小屋に戻って昼飯をゆっくり食った方が良いであろうと言う千葉隊長の判断で、さっさと引き上げる事に。
で、帰り道が結構大変な訳であります。
なんと申しましても、湯谷地尾根は大滝キャンプ場から最初のピーク、凡そ1250メートルまで一気に登るのであります・・目距離はとても短いです・・・と、言う事は傾斜は急だと言う事であります。
しかし、ここまで登っちまえばあとは升沢小屋までは平行移動な訳です・・・で、ここの五葉松は風が強くて上に伸びられず一定の高さから皆して水平方向に横に伸びる訳です。
Y嬢が横に伸びた五葉松を花輪君の髪型みたいだと宣った訳であります。
で、おっさんはその姿をビーバップハイスクールのリーゼントに見立てた訳であります。
そんな訳で、地形図に花野も無い標高しか期されていないピークに「ビーバップピーク」と名付け特徴的な木には「花輪君」と名付けたのでありました。
いや、千葉隊長が旧い文献や地形図を調べたんでありますが尾根の名前もピークの名前も乗っていなかったと言うので、尾根は千葉隊長の命名で「湯谷地尾根」と名付け、目印のピークは「ビーバップピーク」と決まったのであります・・・いいえ、異議は認めません。
しかし、もはやこのルートは我々の手のうちにある訳で、なんと、大滝キャンプ場から升沢小屋まで40分程度で戻ったのであります。
で、升沢小屋に付くと、チャーシューとネギと油麩の入った豪華なラーメンを摘みに、また缶のプルタブをプシュっとやっちまう訳であります・・・いや、千葉隊長は昨晩早寝したんで体調も良いのか、二本程立て続けにやっつけていた訳であります。
いや、宮城のチャンさんから日本酒・・・生酒我残っていると言う声も出たのでありますが、流石に一寸それは、と言う事で・・・。
升沢小屋を出たのが2時少し過ぎでありました。
10番近くの所に来た時に宮城県警のヘリが低空で飛んでいましたが、遭難騒ぎでは無いようで、昨晩の大荒れの後で旗坂への道が決壊などしたようで、それのパトロールであったのか・・・まっ、結構近くを飛んで行ったのでありました。
今年はブナの倒木がとても多いです。
さて、豪雨でも強風でもビクトモしない升沢小屋に感謝して下山に向かった訳です。
今年はいつに無くブナの倒木が目立つと思うのはおっさんの気のせいでありましょうか?
で、写真の倒木は中に土が詰まっていて、いわば空洞な訳です。
そんな訳で倒れている大木は悉く痛んでいた木なのであります・・・いや、外見からは分からないんですが倒れたのを見るとそうなのであります。
で、これはおっさんのインチキな勘なんですけれども、昨年秋は近年に無いブナの実が方策であった訳です。
そこで閃いたのが、痛んだ木は新しいブナが芽を出した時に日当りなど良いようにと、世代交代を考えて倒れて行ったんじゃないのか?
と、言うのが一つで・・・もう一つは、逆に、これから爆弾低気圧などで痛んだ大木が倒れるのを見越して大量の実をつけ、落としていたのじゃないか?と言う事であります・・・まっ、どっちも外れでも良いんですけれども、ブナ木の世代交代は日本国の少子高齢化を他所に、着実に進んでいるのであるなと、おっさんには見て取れたのであります。
山桜です。
雨も殆ど上がり軽快に下山して来た訳でありますが、やっぱしMカーブまで来ると皆が静かになっちまうんであります。
思っている事は皆同じで、楽しかったなぁ、と、終わっちまったなぁ、でありましょう。
雨が降ろうが雪が降ろうが船形山は我々に優しい訳で、いつも楽しく遊ばせてくれる訳です。
雪が消え、泥だらけの登山道を降りながら船形山の全ての自然に感謝し、30番を見たのは4時20分でありました。
千葉隊長以下、罰当たり組のブナ平遊びの季節はまた雪が降るまでお休みであります・・・ンじゃなっ、と船形山に挨拶して帰路につきました。
道路の決壊箇所です。
この話 完
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