写真入り・山日記

        

     大倉山(標高933,9メートル)


     2012年05月06日 (日) 晴れ/曇り/雷雨・・・時に雹 


 いや、あんまり天気が良いので思いつきで山に行きたくなっちまった訳であります。
しかし、一昨日お泊まりの山行から戻ったばかりですから、そんな本気の山も嫌な訳です。
で、もっと贅沢な事に、焼きそばを食ってビールを呑んだら昼寝がしたい・・・東屋が欲しい、と思った訳です。
ンーん・・・大倉山しか無いべっちゃ、と、言う事で、愛車のスパーカブ「あお」に跨がって桑沼林道を目指したのであります。
で、トンネルを抜けると青い空に落下傘のようなものが沢山プカプカ浮いているのが見え、由緒正しいゴールデンウィークの情景であるなと勘当したりした訳であります。

 で、良い感じで登って行きますと、まず、泉ヶ岳駐車場に第一関門は在ったのであります・・・全面通行止め・仙台市・・・と。
うーん・・・良く無いと思いつつも、丁度バイクが通れるくらい飽いている訳で・・・通っちまいました。

 で、さらに良い感じで登って行きますと、今度は青年の家の前に全面通行止めのバリケードが築かれていたのであります。
うーん・・・戻ろうと思ったら何やらタイヤの跡が・・・辿って行ったらバリケードの向こうに出ちまったのであります。

 で、山桜など眺めつつ良い感じで登って行きますと、スプリングバレースキー場の前にもバリケードが在った訳です。
うーん・・・いよいよ戻ろうと思ったら、やっぱしバイクのタイヤの跡など見える訳で、好奇心から辿ってみたらバリケードを超えちまった訳です。

 で、残雪なども見えたりしているうちに桑沼の前で四輪が三台も詰まっていたのであります・・・種沢林道を上がって来たらしい。
おやぁー、と、見るとブナの大木が林道を塞いでいる訳ですが、カブを斜めにすれば難なく通り抜けられそうなのでやってみたら、出ちまいました。

 で、林道が荒れているなぁ、と思いつつ桑沼の脇を行きますと、またブナの大木が道を塞いでいるのであります。
あれぇー、と、近寄ってみると脇の藪は抜けられそうでありまして、やってみたらクランクケースなどガンガン打ちましたが抜けちまったのであります。

 

いや、ここから登ったんじゃ在りません。記念写真です。
 
 そんな訳で、桑沼の散策路の脇に来た時に少し考えたんであります・・・いいえ、大倉尾根にはセッピが張り出していて登れません。
散策路を行って湖畔の東屋で焼きそばとビール・・・とてもお手軽で良いんじゃないか? 車が入れないから人は来ないし。
しかし、やっぱし軽くとは言え一山超えたいと言うのが人情でありますから、いい感じで先に進んだのでありました。


いや、雪解けの直ぐ後なんで藪が薄いのが救いでありました。

 さて、おっさんは少し混乱していました・・・あれっ?ショートカットの道って何処からだっけ? ワカンネぇ、と。
いや、縄文の森の看板から行くと氾濫源に行っちまうのは分る訳で・・・あっ、彼処にベンチが在ったな、あれだろう、と。
で、ベンチが在って車を二台程停められそうな所が在って、確かこんな感じだったよなぁ〜で、入って行った訳です。
しかし、一歩踏み入れたそこは、只の藪で在りました・・・熊なんか居たら嫌だな、と言う感じの、笹の藪でありました。


なにやらピークが見えますから、とりあえずあそこまで・・・

 と、言う事で、訳も分らず取りあえず登って行くと・・・いや、軽い気持ちで来たので地図もGPSも無いのであります。
まあ、上に向かうしかないよな、と言う事で左手に放置されてどうでも良くなっている杉の植林地を見つつ、なんか尾根っぽく無いか?と言う出っ張りに添って登って行ったのであります。
すると、おやぁ〜赤布じゃないのぉ?・・・ありゃぁ、赤布だわ・・・あの高さと言う事は積雪期に登った人が居るんだ・・・でも古そうだな、と。
で、赤布は三つほどあって、藪の中で良い目印になりまして、下山の時に助かるな、と・・・いや、この赤布は丁度尾根が曲がる所で打たれていて助かったのであります。


藪を抜けて尾根に出たら、大倉の岩壁と船形と前船が見えました。

 で、上に見えるピークを目指して藪を詰めて行きますと、かなり明確な尾根に出た訳であります・・・こりゃぁ大倉山に出るな、と安心でありました。
で、よくよく見ると尾根には踏み跡らしき道筋も見えなくも無い訳であります・・・こりゃぁ昔の登山道か?と。
そんな訳でかなりの藪なんですけれども、しかし確実に歩かれた痕跡も在る訳で、間違いなく古い登山道であるな、と確信した次第であります。


古いですけれども、ノコギリで切られた痕であります。

 いや、いい感じの尾根だな・・・見晴らし抜群、高度感最高・・・藪さえ無ければ言う事無し、でありました。
おおっ、前に見えるは大倉山の岩壁と、下に見えるのは氾濫源ではないかい? んっ?鈴の音が聞こえる・・・東屋は近しか?


山頂標識の無い大倉山に誰かが付けたのでありましょう。

 いや、こんな面白い道があったのか? 藪漕ぎじゃなければもっと楽しいのにな・・・何故に廃道になったのか? まっ、今は放棄されて手入れもしなくなったお役所が作った縄文の道の煽りなんだろうな・・・などと勝手に推測しつつ、山頂と言いますか、東屋の真ん前に出たのが、12時20・・・登りは30分でありました。

 さて、30分程前から聞こえていた雷鳴がとても近くなって来た訳で、こりゃぁ東屋でビールとか悠長な事を宣っている場合ではないな、と言う事で、滞在時間は推定28秒で元来た藪へ戻った訳であります。


ほぉーっ・・・下りで見ると立派に痩せ尾根ですね、と。

 そんな訳で、雷雲と追っかけっこになった下りは傾斜の急な事も相まって、ホントーに転がり落ちるように降りた訳であります。
このルートは、やっぱし「男の直登・一本道」と名乗って良い、曲がるのは一カ所だけであります。
そこさえ間違わなければ、藪を厭わなければ大倉山へ最短であるなと、思うのであります・・・が、これからは藪がアレなので登ったらナニだと思いますが。

 そんな訳で、曲がり場所は赤布に助けられ難なく駆け下り、バイクに到着したのが12時38分でありました・・・上り下りで48分? お手軽です。
いや、ラッキーであったと言うべきか、残念と言うべきか、バイクに辿り着いたら雷雨でありました。む
その後バイクでの家まで向かう途中には雹に降られ、ヘルメットからカンカンカンと小気味よい音を響かせつつ、バチバチと当たる氷の粒は合羽の上からでも痛いと言う、得難い体験もして・・・本日のツーリング登山は終了でありました。


     この話 完


山の状況、情報は適当ですので、ご注意下さい・・・


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