写真入り・山日記

        

     雁戸山(笹谷峠から)(標高1484.6メートル)


     2012年05月24日 (木) きっぱりと 晴れ 


 先週と同じ道を行った訳ですが、天気が違えばこうも違うと言う事で、本日は天国でありました。
そんな訳で、やっぱしツーリング登山は止められません・・・薫風の中をトコトコと登山口までカブで登るのは、山歩きとも車での通過とも違う楽しみでありまして、ナントも味わい深いのであります。


新緑と路面に映る影がナンともカントも・・・美しいのです。
 いや、先週は寒さに震えた道とは思えない訳で、とうとう合羽も脱いで笹谷峠まで登って来ちまいました・・・峠で気温16度。
で、毎度の事なんですけれども、雁戸は人気の山な訳で駐車場には既に10台程の車が停まっているのであります。
うーん・・・この天気だものなぁ、先週よりも多くて当たり前だよなぁ・・・と。

 バイクで来る時には既に身支度は出来ている訳です・・・スパッなども装着済みであります。
で、ザックも背負って来ている訳ですので、バイクを停めたら即出発・・・あっ、トイレに寄りましたか。
そんな訳で、本日も出発は舐めた時間の9時45分・・・徒歩開始。


この看板はおっさんが子供の頃も同じ形であったと記憶しています。
 本日は思う所があり、どんだけ急げるのか? どんだけ飛ばすとバテルのか? そんな試験的歩行をして見た訳です。
で、ありますから先行者など見つけると一段ギァーを下げて加速し、息を荒げてガシガシと追い越す訳であります。
いや多分傍で見ていたら鬼のような形相で汗をぶったらして歩く小汚いおっさんの様相は異様であったかと思う訳です。
追い越す際に皆様が成る可く近づかないように、目を合わせないように・・・だからコンチワーに返事も無い訳です。

 しかし、まっ、平日ですからそう言う事なんでありましょうが、ホントに年寄り登山者ばかりであります。
南雁戸の上で行き会ったのが若くて30代でありましたが、それ以外は皆様おっさんよりも大先輩でありました。


いや、飛ばしました・・・雁戸が見える尾根に出るまで58分でした。
   さて、本日のコースは山形コース(カケスが峰経由を宮城コースと言うのでおっさんが勝手に呼んでいます)から登り、下りは宮城コースを下る予定な訳です・・・いや、別に何の意味も無いんでありますがナンと無くカケスが峰って好きなんであります。
ここは近くに水場が無いんでアレなんですがテントを張るのにとても良い広場がある訳で、子供の頃に何度かテントを張った事があります。
しかし、ナンで開けているのか?木が生えていないのかは一泊してみればすぐに分かります・・・時にもの凄い風が通り抜けます。


小さな雪田の向こうに前山と雁戸の切り立った姿が・・・。

 さて、唯ひたすら前に進む事しか考えていないのでいつもの様に花や虫などに目が行かない訳であります。
で、シマヘビが寝てたのを知らずに踏んづけちまいまして、怒ったシマヘビが登山靴に噛み付きました・・・いや、ヤマカガシは咬むんですけれどもシマヘビは咬まないと思っていたのでビックリです。

 ここで脅威の快速爺様に出会いまして、おっさんが全力で追い抜いたんでありますが抜かれた爺様が全力で追走して来る訳です。
で、アレコレあってこの後一緒に歩く事になっちまいまして、いやぁ、下り足が速いのなんのって、この爺様の父ちゃんか母ちゃんはカモシカなんじゃなかろうかと言う程な訳です。


雁戸の詰めの登りで快速爺様とバトルを展開した訳です。

   まっ、そんな訳で頭に撒いたタオルのねじり鉢巻から汗が滴り落ちては目に入り、それをグチョグチョのタオルで拭うんでまたビチョビチョ・・・汗が目にしみるぜぇ・・・男の登りだねぇ、なぁーんて事を思いつつ、岩場の切れそうな頼りないトラロープを引っ掴んでガシガシと登ると雁戸山の頂上でありました。


雁戸の山頂まで1時間30分・・・うーん、あれだけ飛ばしてこんなモノかぁ?

 さて、雁戸山の山頂では昼飯を食べている人や写真を撮っている人など、数組がいた訳です、が、おっさんは南雁戸に急ぐ訳です。
記念写真もソコソコに、アミノバイタルを一つチューチューとし、ほんの一息入れて先を急ぐ訳です。
そしたら・・・あの爺様が付いて来ちまいまして、バトル再開であります。
が、いやはや、下りの早さは尋常じゃ無い訳でして、元々下りに弱いおっさんは相手にならない訳です。
それでも登りに入ったらパワー勝負・・・おっさん心臓の回転数を殆どレッドゾーン入れて抜き去ったのでありました・・・が。


ここが雁戸から下り南雁戸へ、バトルの稜線です。

 いや、北雁戸と南雁戸の間には凡そ100メートルの登り返しがある訳です・・・この100メートルの下りで快速爺様にしてやられちまったのであります。
で、恐らく快速爺様も登りでのおっさんの足は警戒していたのでナンボかでも差を開けようとした模様で、小走りに下る訳です。
おっさん近頃の山行では体力増強の為に無駄な水を詰め込んで荷物の重さが10キロを切らないようにしている訳です。
そんな事も有って快速爺様のように飛び降りる事は出来ない訳で、グイグイと差を開けられちまったのであります。
で、登りに入って岩場でもたつく快速爺様を下から煽ってとうとう先頭を取り、そのまま南雁戸の山頂になだれ込んだのでありました。

 が、しかし・・・それから約五分、口を利く気にもならないと言いますか、吐き気さえすると申しましょうか・・・ビールに手が伸びるまでに10分の休息が必要となったのでありました。
いや、本日は飛ばすのが目的の山行なので快速爺様と行き会ったのもナニかの縁と言う事ですが、山では二度とお会いしたくは無い人であります。

 

北雁戸から南雁戸まで正味15分でありました。

 いや、南雁戸の山頂にも先客がいまして、昼飯を食っていた訳ですが、コレがビックリであります。
ナントぉー・・・カップ焼きそばに缶ビールにコーヒーじゃありませんか・・・お主、若いのに手練であるな、と。
そして、色々話しをしていたら、駐車場にはバイクを停めていると・・・ナントぉー、そこまでおっさんと一緒なんであります・・・もう他人とは思えない感じでありました。

 で、おっさんも隣に座り込んでかなりノンビリといつもの儀式を一通りこなした訳です・・・が、やっぱし喋っているとアレなんですね、本日は昼飯の風景を撮るのを忘れちまいました。
いや、ドーせ毎回同じだろうと言うのは間違いです・・・本日は焼きそばをコンビニで買ったのでUFOであったし、レーズンパウンドケーキとデコポンも添えられていたのでとても豪華であった訳です・・・まっ、基本は一緒ですか?


峰桜?タカネザクラ?まっ、名前はドーでも良いのです。おっさんの一番好きな花であります。

 やっぱし話し込むと時間が経つのは早いもので出発の腰を上げたら既に12時半でありました。
で、言わなきゃ良かったと後悔したんですが「天気が良いからカケスヶ峰も気持ちよいベネぇ」などと宣っちまった訳です。
すると、隅っこに控えていた快速爺様が「ンではぁ御一緒すっぺがなぁ」と、立ち上がったのであります・・・いや、爺様、おっさんはもうバトルはしたく無いんで、頼むから一人にしてくれよ、と思ったんでありますが、口をついて出た言葉は「ンではぁ一緒に行きすぺぇ」でありました。

 で、コレから下山な訳ですが、爺様は下り足がとてつもなく速い訳です・・・まっ、勝手に行けば良いさ、と思ったんでありますが、やっぱしおっさんの闘志はドーしても燃えちまう訳で離れずに付いて行くのであります。
ああ、休息中に訊いた所では、爺様は御歳72歳だそうで・・・カァーっ、72歳の爺様と張り合ってんのかぁ、情けないなぁ、と、おっさんの意気は思い切り沈むのでありました。

 そんな訳で爺様とアレコレ話しながら下ったんでありますが、ドーも山形県下の山岳会やらアレコレには漏れなく参加している様子で、特に夏場は朝日の縦走を三度も計画しているとの事・・・おっさんも誘われちまいましたが、こんな爺様と登ったら殺されると思い、キッパリとお断りいたしました。
で、今年の3月には東根山岳会の案内で沢渡黒伏しに登ったとか・・・まっ、やっぱし並みの爺様ではなかったのでありますね。


朝日の稜線のと比べると可憐さは無く、派手さが目立ちますか?

 いや、カケスガ峰あたりを過ぎてから爺様の足に陰りが出て来まして、少しの登りでもスピードが落ちて来ました。
で、避難小屋後辺りで小休止をして爺様も写真など撮った訳です。
ああ、やっぱし爺様も負けん気だしていたんだなと思ったのは、この後下り一方だったにも拘らずだいぶ大人しくなっちまった訳です。
で、その先は山形コース以上に溝が掘れて歩き難い下山路を、アレコレ喋りながら楽しく下ったのでありました。

 駐車場着・・・2時でありました・・・いやぁ、本気で疲れましたぁ。

  やっぱし山は良いもんです。


     この話 完


山の状況、情報は適当ですので、ご注意下さい・・・


ご意見ご感想は こちらで、承っております・・・


INDEXに戻る 次のページへ