写真入り・山日記

        

  Mt Evans (標高14265ft 4348m)


     2012年06月07日 (木)  晴れ/曇り 


 本日は次のテント場を探してうろついている訳です。
そして、その途中で、車で登れる4000mの山・・・Mt Evans にやって来た訳であります。
車で登る4000m・・・いや、邪道だべ・・・ンでもアレだ、取り敢えず4000mでどんな事になるのかを知るには登ってみる価値は有るな・・・しかも、コロラド州でも屈指の観光地と言う事であるしな・・・外せないよな、と言う事で、料金を20$だか支払って登って来た訳であります。

 で、山岳道路を堪能と言い居ますか、まっ、どこまで行っても山しか無いんだよな、と登って行きますと、SUMMIT LAKEと言う展望地と言いますか、トイレのパーキングと言いますか、車が沢山止まっている所に着いた訳であります。
で、パーキングに車を入れたら、隣の車の若い男女がスキーを背負って登る準備などしている訳です。
あいやぁ・・・目の前には凄い傾斜の雪渓が有る訳ですが「アレ、滑るの?」と聴いてみた訳です。
すると、この尾根伝いに登って行ってあそこを滑って戻って来ると宣う訳です・・・へぇ〜、あそこ登れるんだぁ・・・イッチョ登ってみっかい、と。
で、彼と彼女はピッケルも背負っている訳で、ロープも持っている訳です・・・フーむっ、ヤバイのかなぁ?と思い、どの程度なの?岩登るの?と聴くと、大した事無い、ピークを避けて巻き道行けばハイキングだから、との事・・・よし、行くべ、と。

 そんな訳で図らずも登る事になっちまったマウントエバンスでありますが、日本でコロラド・ロッキーの山を無作為に検索したら一番目に出たのがコレでありまして、しっかり調べた訳です・・・そしたら、なんだ、観光道路の山か、で、登る対象からは外したのでありました。
いや、しかし、登ってみたらやっぱしそこはそれ、山はしっかり山な訳で、色々と楽しませてもらった訳です。

 前説おしまい。


サミット レイクと言う湖と言うか沼と言うか・・・標高は3900近い高所です。
 そんな訳でスタート地点の標高が高いんで稼ぐ標高差は450mと、里山クラスのナニでありまして、体力的にはドーと言う事も無い訳です。
まっ、気になるとすれば目の前にそそり立っている山の様子から、岩場の登下降・・・そうだ、ピッケルは置いて行っても紐は持って行くべ、で、6ミリではありますが30mと、何にでも使える4ミリを20m持ったのでありました。
   

山羊ですか? この辺の野生動物は人間を殆ど恐れません。
 さて、登り始めからずーっと岩場でありすがとてもしっかりした踏み跡が有る訳です。
で、地図を見ますと・・・登山道もトレールロードも書いて無い・・・一般ルートじゃ無いのかな?で、道路に入る時に貰った地図を見ると、こちらにはMt Spaldingと記されたピークまで点線が記されている訳です。
うーむ・・・一般ルードじゃないのか、と、少し不安になりつつも、天気が良い事だし先も見えている事だし、行って見っぺし、と。


これから、おっさんの後の稜線を辿る訳であります。
   岩場と言いつつも、手が出るような事は無く、見た目よりも全然楽チンなルートでありまして、お手軽なトレッキングであります。
と、言いつつ、Mt Spoldingに登り切りますと・・・いや、下の湖が眼下に見渡せ、続く稜線が切り立って見事な景色なんであります。
しかし、成る程・・・もらった地図の点線がここまでとなっているのは正直にその通りな訳で、先には道はないのであります。
まっ、しかし、行き先は見えている訳で・・・あっち目指せば良いんだから、と、一度100m程按部に下って少し尖った感じのピークを目指したのでありました。


写真で見ると大きさが判らないんですが一つの岩がバカでかい訳で、乗り越しは力使います。

 そんな訳で本当は何処かに楽な巻き道が有るはずなんでしょうけれども・・・いや、彼は巻き道を行けばハイキングだと宣ったのでありますから、たぶん有るんでしょう。
しかし、おっさんは先日のMt Idaでもそうでありましたが、尾根通しに全てのピークを拾うのが信条な訳です。
で、そのつもりで岩を登って行くんでありますが、コレが中々難しくは無いんですが体力と言いますか腕力と言いますか、大変な訳です。
いや、しかし、履いていた靴がスカルパでホントーに良かったと思いました。
靴の先端部分がクライミングゾーンと明記されているだけ有ってフリクションは最高であります・・・岩を喰います。
まっ、クライミングシューズを履く程のものでもないと言うのがホントのところなんですが、しかし、楽に登れるのに越した事は無い訳です。

 

次は・・・あのピークの先っぽの岩が目標です。

   天気は良いんですけれども風か強くなって来まして、リッジの際に立つのが少し怖くなる程であります・・・反対向きなら谷に落とされなくて済むんですが・・・。
で、岩を丁寧に拾って登って行く訳ですが、ピーク的には4つか5つを超えている訳です・・・下で計算した標高差450mでは納まらない訳で、だんだんと息が上がって来まして、先日同様に、1ミリでも多く酸素を取り入れようと金魚のように口をパクパクさせる様になっちまったのであります。
それでも、抜群の見通しに助けられ、気分的には快感でありました。


自分から落ちる事はまず無いんですが突風が吹くんで・・・落ちたらこらです。

 まず、体力的には大した事は無いのでありますが、小技的にはそこそこ難しいかも・・・なんちゃって。
一カ所、お尻を着いてズリズリしても良かったんですが、紙ヤスリみたいな岩で尻に穴が開く問屋なのでロープを張って懸垂気味に降りてみました。
まっ、技を使ったと言うのはそこだけで、あとは3級程度の、それも距離的に短いものなので緊張する場面も殆ど無かったのであります。
しかし、ピークの上から見たら割合とはっきりした巻き道のトレースが見えまして、なるほど、殆ど平行か、緩い登りでMt Evansに向かうんであるな、と、納得であります。
しかし、歩いている人は誰もいないんですけれどもね。


おっさんの時計の高度計は少し多めに出てますね・・・山頂です。

 いや、快適なナンちゃって岩登りをこなしてMt Evansに近づくと、何やら嬌声と言いますか黄色い声と言いますか、ざわついた声が風に乗って来る訳であります。
おっさんは一瞬にして・・・ああ、熊野岳の向こうから刈田岳の駐車場に近づくときのアレがこれから起こるのかぁ・・・興ざめだなぁ、と落ち込む訳であります。
ホントならば、山頂まで行かずにサッサと下山したい所なんでありますが、一応テンッペンを踏んどかないと登頂にならないしなぁ、と、言う事で、人混みとも言える山頂に出向いたのでありました・・・いや、そのまんま刈田岳でありました・・・吾妻小富士でも良いんですけどね。


高度障害で顔が下膨れになって稲野ですが・・・おっさんを知る人は判るんですけどね。

 で、何時まで居ても仕方が無いと言う感じなんですが、しかし、頂上にはヤンキーの若い娘も大挙していた訳であります。
いや、これがまたそこそこメンコイ訳で、少し眺めていたくて腰を下ろしてみました・・・いやぁ、あと20年早く来るべきだったかなぁ、と。

これがキャンプに降りて普通に戻った顔であります・・・下膨れて無いです。

 いや、Mt Evansは下りまでエコーラインな訳で、大黒天に置いた車までテクテクと車道を下るのであります。
で、ショートカットできる所は全部やった訳ですが、その時、岩場の影から手足のやたら長いウサギが飛び出しまして、猛烈な勢いで走って行く訳です。
それを見ておっさんは・・・ああ、アレが子供の頃に見たアメリカのマンガのバックスバニーなのか?と思った訳です。
しかし、ナンと言う名前のウサギか忘れましたが、これも激減した種と言う事で、滅多に見られないのだとか・・・しかも夜行性だとか。

 まずまず、登る予定の無かったMt Evansなんですけれども、登ってみればおっさんには丁度良いテクニカルな山でして、楽しめた訳であります。
山頂の賑わいでは、ヤンキー娘の嬌声に耳を傾け・・・ああ、良い香りであるなぁ〜なぁーんて事も思ったりして。 そんな訳で意外な拾い物であった Mt Evans でありました。



   アメリカでも、やっぱし山は良いもんです。


     この話 完


山の状況、情報は適当ですので、ご注意下さい・・・


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