写真入り・山日記

        

  後白髪山 


     2012年07月08日 (日)  本格的な 曇り 


 梅雨時でありますから仕方が無いんですけれども、雨続きで山に行けない休日が続きまして少し苛々しておりました。
しかし、本日は絶好の山日和とまでは行きませんが、そこそこなんとか持つんじゃないか、と言う雰囲気でありまして山に向かった訳であります。
本日もおっさんの足はホンダスーパーカブであります。
従って、山で雨に降られる分にはまだなんとか耐え凌げますが、帰り道などで雨に降られるととても悲惨な事になっちまう訳であります・・・いや、山で疲れて冷えた身体で引き続きカッパを着てバイクで行くと言うのは結構辛いもんであります。
と、言う事で、まかり間違って降られても遠く無い所、すぐに家に帰れる所と言う事で、泉ヶ岳方面を目指してみた訳であります。
予定では、桑沼から北泉に行って大倉尾根〜氾濫原とか・・・しかし、泉ヶ岳の駐車場の前にがっちりした通行止めのバリケードが有りまして、ただならぬ雰囲気を醸し出していた訳です。
まっ、それは脇から交わして進みますと、青年の家の前に、ドーしても抜けられないバリケードが施されているのでありました・・・あいやぁ、これは完全にバイクを睨んだ工夫ですね・・・そうですかぁ、そこまですると言う事は、そう言う事なんでありましょうね、と、潔く撤退であります。
で、向かった先は・・・毎度の感が否めない後白髪山で有りました。

 前説おしまい。

 この前後白髭に来た時も大雨の翌日でありまして林道は大荒れでありました・・・本日は全開にも増して酷かったです。
林道の一部は殆ど沢になってまして景気良く水が流れておりました・・・おっさんの見立てでは普通車通行困難と。
そんな訳でバイクを労りながらトコトコとゆっくり横川林道を登って行った訳ですが、本日もやっぱし登山者はおっさん独りでありました。

 登山道入り口はそろそろ薮になって来まして雨上がりで草が濡れ、足を踏み入れるとスボンはびしょ濡れでありました。
申し訳無いがぁ、と断りながら草をなぎ倒し踏んづけて少し進むと、ブナ林からは刈り払われた程良いお湿りの登山道であります。
ここで本日の課題・・・アメリカで買った2万円のGPSに日本語パッチを当てた物は山で使い物になるのか?の検証が始まった訳であります。
で、新型のEトレック30はスイッチを入れて10秒程度で衛星を補足したんでありますが、旧い方のEトレックは、なんとぉ〜補足不可能と来たでは有りませんか・・・うーむ、これほどの差があるのか、と驚きでありました。


左新型 右旧型

 さて、日本で買ったら最低25000円程度・・・地図を入れたら39000円程度になっちまうUSA仕様のガーミンEトレック30なんでありますが、某所で売っている25000/1の地形図を買うとそれに日本語パッチが付いて来ると言う事で、日本語表示が可能になる訳であります・・・事前に知っていたのであっちでGPSを買い求めて来た訳であります・・・そして、日本で件の地形図を買い求めていれた、と。

バックライトが明るく見やすいです。

 さて、旧型のGPSは薮の中や杉林やブナ林では精度が出なかった訳です・・・いや、場合に因っては衛星を拾えなくて固まっていたりした訳です。
しかし、この度の新型は、日本の衛星もロシアの衛星も利用しちまうと言う事で精度は抜群に安定していると言われていた訳であります。
で、その後も樹木が密な所で旧型がピーと言ってダウンする場面でも新型は元気でありました。
何よりも軌跡がピンクで鮮やか・・・老眼でも確実に見えるのが良いであります。

 

スタート地点からの歩行距離などを表示する事も出来ます。

 で、図面上には地図とその他の任意の情報を表示する事が可能でして、歩行距離や時間、高度や方位や、セットの仕方では目的地までの残りの距離と、平均歩行時間から割り出した凡その時間なども費用辞させる事が出来るのであります・・・いや、毎度の事では有りますが、出来ると言う事を知っているだけで、操作方法は知りませんが・・・。

  

コンパスが自律なので機械がどっちを向いていても概ね大丈夫でした。

   さて、GPSを見つめて登ったからだと言う事でもないんですが、1300のピークに出るまでの登山道はホントーに地味でありまして、咲いているのは銀嶺草ばかりであります・・・いや、こんだけアレが咲いている登山道と言うのも珍しいと思うんでありますが、ホント、見たいと思う人は是非後白髪山へすぐにドーゾ。
しかし、他に色気の有る花とか目を楽しませる花は皆無でありますので覚悟して下さい。


シャクナゲ・・・今年の初物でありました。

 いや、只でさえ地味な山なのに全面的に霧でありまして、暗いったらありゃしない・・・やっぱし銀嶺草の似合う道だわ、とか思いながら尾根を登り切って視界が開けますと、そこもやっぱし霧でありまして何も見えないのであります。
しかし、それでも息苦しくなるような下の道とは違い風が通っている分さわやかでありました。
そして、灌木の中に慎ましく咲くシャクナゲが・・・ああ、これだけでも登って来て良かったと。


色気のあるシャクナゲでありました・・・惚れてまうヤロー。

   おっさん、シャクナゲに種類が有る事など全く知らない訳でありまして、白くて清楚なシャクナゲの後に、何とも目立つ桃色のシャクナゲが目に飛び込んで来たりしてビックリ仰天と言いますか、驚きつつも喜んだと申しましょうか・・・いや、色気の有る物が好きでありますからね。
それにしても本日は雨上がりで霧の中、そして大した風もないと言う、シャクナゲの様にデリケートな花を愛でるには絶好の日和なのではないか?などと思いつつ、晴ればかりが良いとは限らないな、と、今更な事を宣ってみたりした訳です。


いつもの湿地帯はそれなりに酷くなってました。


 いつもの湿地帯と申しますか、泥溜まりの箇所はいつにも増してグッチョグッチョでありましたが、しかし、それも子の山の愛嬌であります・・・だからこそ育つ植物もきっとあるのでしょうから。
とは申しましても、ホントにグッチョグッチョでありまして登山靴がズッポリとめり込み、ウヒョーと逃げようとして、また違う足がニチョッと嵌るのでありまして・・・正直に申せば嫌な場所です。

 しかし、こんなデリケートな高山的様相の湿地帯をドガチャカドガチャカと何百人もで駆け抜けるトレールランニングなど、ナニが面白くて企画するんでありましょうかねぇ? ホントに自然の事とか、山道の事なんかを考えたら少しでもインパクトを与えない方向でモノを考えると思うんでありますが、仙台市の体育振興課とか、ドー言う考えなんでありましょうかねぇ?・・・バカじゃねぇの?


これは何の花でありますか? いや、高嶺桜よりも良いかも!!!


 泥濘地で手間取ったりシャクナゲの写真をしつこく撮ったりして・・・いや、結構奥の方に咲いていたりして踏み込むのもアレだし、それでも写真は撮りたいし・・・望遠ってのは嫌なんだよなぁ、とかやって来たもんで時間を食ったかなぁ、と思って頂上で時計を見ると11時10分でありました・・・10時出発だったからまっ、普通か?
で、中途半端な時間だなぁ・・・三峰でも行くかぁ? と、歩き出したのでありますが、300メートルも行ったで有りましょうか?いや、灌木が低く覆い被さってまして煩い上に揺さぶるとシャワーが凄い訳です・・・こりゃぁカッパ着て行かなくちゃダメだな・・・ンじゃぁ止め、と。
戻って少し早めの昼飯タイムでありました・・・この時、少しだけ霧が薄くなり三峰の一部や蛇ヶ岳の一部など見えたりして心持ち明るくなって気分も爽やか・・・いや、霧が晴れたら途端に虫が飛び出しまして、良いんだか悪いんだか。


虫は、ホントに色んな種類が花に群がっておりました。


   前回は寒くてビールを飲む気にもならずに頂上滞在28秒程で下山したんでありますが本日は半袖のままで平気であります。
風が心地よくてビールが美味いのであります。
で、最初の内はおっさんにも虫が因って来たんですけれども、その内虫も学習したのか、臭くて因らなくなったのか静かになりました。 で、花の周りを忙しく飛び回るアブやハチやカミキリムシなどを眺めていると飽きない訳です。
ナンだカンダで1時間半も山頂でのんびりしたのは初めてでありました。
ビールはとっくに無くなり、ンじゃぁ、とコーヒーなど入れ、予備食で普段は家に持ち帰るアンパンも喰っちまいまして心の底から満足しての下山で有りました。


霧の山道も良いもんです・・・幽玄ですか?


 晴れた山が良いのは勿論なんですが、しかし、自分の手持ちの山と言いますか、裏山的存在の山は四季折々、天気の如何に関わらず、登ってみればやっぱり良いモノであります。
後白髪山は、地味さ加減がおっさんの琴線に会うだよねぇ・・・いや、ホント、上に出るまでは地味ですからねぇ。

 




     いやぁ・・・我が家の裏山は やっぱし良いもんです。



     この話 完




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