写真入り・山日記

          

   大東岳 周回コース 



      標高 1365.8メートル 距離12.5キロ 累積標高差 1147メートル

      2012年07月19日 (木)  晴れ 


 梅雨時の晴れ間は・・・三顧の礼を持って迎えよ!!!と昔の人は言ったとか言わないとか・・・多分言わないと思うけど。
まっ、そんな訳で、朝起きたらドピーカンでありまして、絶好の山日和でありました・・・しかし、空の色が何となく異質で、風の匂いが違う?
朝飯を喰いながら天気図を見ると・・・ありゃぁ、太平洋高気圧は精力減退でありまして、南に下がっちまっている訳です。
で、その隙を狙って、ロシアからの冷たい高気圧がズズズズーンと張り出して来た訳で、抜けるような濃い青の空の原因は、北の高気圧だったのであります。
いや、まあ、だからドーだと言う事も無いのでありますが、こう言う天気って突然崩れるからなぁ・・・でも知ってても行くんですけど。

    前説おしまい。




家から45分・・・8時20分出発であります。

 久しぶりの大東なんであります・・・なんか随分登っているような感覚を持っているんですけれども、それは錯覚でありまして、昨年は零回でありました。
いや、裏から廻って小東峠とか、樋の沢遡行とか、向かい側の三方倉山に登るなど、界隈を歩くのはやっているんですけれども、ちゃんと大東岳の山頂を踏むと言うのはやっていない訳です。

 で、久しぶりと言う事も有るのでしょうけれども、なんか、来る度に様子が違うと言うか、微妙に変わっていると言いますか、登山道にあんまし見覚えが無い訳であります。
特に沢沿いに関してはホント、こんな所通ったかぁ?と、言う感じなのであります。


五合目からやっと尾根に出て明るくなります。

 さて、大東岳は標高僅かに1365メートルと、そんなに高い山では無い訳です・・・が、しかし、累積標高差で1147メートルと言うのは、山と渓谷社の「宮城県の山」が紹介するコースでは一番な訳であります。
で、累積じゃなくても登山口からの標高差は1000メートルを超える訳で、それを4.7キロ程度の距離で登るんでありますから、山の標高の割にはキツイのであります。
ちなみに「宮城県の山」に載っている全58コースで1000メートルを超す標高差を示すのは4コースだけであります。
大東の次は、船形山の升沢コースであります・・・しかし、こちらは登る距離が片道7キロ弱あるので急登と感じる部分は少ないのであります。


山頂到着10時45分・・・所要時間は2時間25分でした。

 そんな訳で、見覚えのあるような無いような、しかし、この登り応えは身に覚えがあるぞ、と、急登の連続に喘ぎながら登って行くのでありました。
まず、大東と言う山は、ホントに愛想の無い山であります・・・いや、後白髪山だって無愛想なんですけれども、あっちにはまだ愛嬌があります。
しかし、大東には愛想も愛嬌も無い訳でして、只ひたすら汗を絞られ、顎を出しながら登るのみなのであります。

 こぶし平と言う所で急登から解放されて一息つくんでありますが、しかし、この後に待ち構える「はなこすり」の超急登に突入して喘ぎだすと、先ほどのこぶし平の息抜きは、大東岳が登山者をせせら笑って与える一時の息抜きであったかと思わされるのであります。

 はなこすりが終わって斜面が緩むととても嬉しい・・・ホントに、心の底から嬉しくなるのであります。
いや、本日は歩き出しからなんか苦しくて体調が今イチであるな、と思って登っていた事もあり、いつに無くキツかったのでありました。


カップヌードルのカップ無し 塩味がメインディッシュでした。

 山頂についてまだ10時45分・・・昼飯と言う時間ではないよなぁ、と。
しかし、ンじゃぁ足を伸ばしたとして何処で食う? 弥吉ころばしの前のいわゆる展望台かぁ?
いや、山形県民じゃないんで宮城の山を眺めながら食うのが真っ当であろうし、樋の沢は展望も無いし、下手すると虫にやられそうだし・・・と、言う事で一等三角点の前で早過ぎる昼飯を展開したのでありました。

 山頂からの眺めは素晴らしく・・・いや、素晴らしいんでありますが何処を見ても緑一色でしてメリハリと言うモノが感じられない訳です。
はっきり言ってつまらないと申しましょうか、全く感動的じゃないのであります・・・しかし、快晴の空は気持ちが良いのであります。
で、山頂にはトンボが沢山飛んでいまして、だからでしょうか、煩い虫が殆ど居なくて快適でありました。
いつもの様にビールを軽くやって腹を満たしたらひっくり返って昼寝であります・・・本日の昼飯休憩はたっぷりの1時間でありました。

  

遠く蔵王の刈田岳の辺りでしょうか?残雪が白く見えていました。

   表コースから登って周回すると12.5キロなんですが、下りの方が長くて8キロ以上ある訳です。
下りが苦手なおっさんは一気にガツンと下るよりもダラダラと長い距離で行く方が足には優しくて好きなのであります。
しかし、裏コースの距離が長いのはガッンと下った後に水平移動にも似たダラダラ下りが長い訳で、コレはコレで厳しいものであるなと思うのであります。
特に嫌なのが山頂から直ぐの階段状の下りであります・・・なんぼ急でも歩幅を自分で決められる下りならまだ救われるのでありますが。
そんな訳で、弥吉ころばしなんかは意外と苦手じゃないのであります。
しかし、大東岳は湿気が多いと言いますか、日当りが悪いのでありましょうか?泥濘地の多さは後白髭のあの辺りよりもしつこいのでありました。
で、湿気が多い山であるなと言うのは、岩が苔で滑るのでも感じる訳であります・・・いや、ホントに浮き石と苔で滑る岩には要注意です。


本日、唯一撮った花であります・・・花一輪で疲れた心が和みます。

   樋の沢の避難小屋まで、ひたすら下る訳であります。
で、避難小屋まであと少しと言う辺りで沢と平行になり、やがて向こうへ越す訳ですが、この沢の様子が凄いと言いますか、大水が出たんだろうなぁ、と言うのを伺わせる訳であります。
おっさんの記憶では涸れた沢だと思っていたんですけれども・・・いや、この時も枯れてましたが、痕跡が凄いのでありました。


2時45分 登山口に戻りました。

   樋の沢の避難小屋からの道は、楽と言えば楽なんですけれども、しかし、宮城県の山でこんなに鎖やロープが下がっている山を他には知らない訳で、大東岳の裏コースって、結構アレなんじゃないのぉ?・・・アレってナニ? いや、ヤバイんじゃないのぉ?と思う訳です。
いや、晴天で乾いていればナンと言う事も無いと思うんですけれども、しかし、一旦雨が降ったら嫌な箇所が随分あるよなぁ、と思うのでありました。
で、おっさんが一番ヤバイと思ったのは、目に見える岩場とかではなく、夏草に隠れて見えない登山道のヘリでありました。
トラバース気味の狭い登山道なのですが、草で見えないんで踏み込むと、その下は崖です、と言う箇所が数カ所あった訳です。
いや、そんな間抜けは居ない、と、おっさんも思いますが、しかし、「まさか」は意外な所で起きますからね

 樋の沢からの道は、アレが見えるとか、コレが見えますとガイドブックに書いてあっても、盛夏は草木が茂って殆ど何も見えない訳です。
こんなに良い天気なのに湿った道だよなぁ、と、ぶつくさ言いながら、最後の林道歩きをして登山口に着いたのが2時45分でありました。
下りはやっぱし登りよりも時間を食いまして・・・3時間でありました。

   




     いやぁ・・・山は やっぱし良いもんです。



     この話 完




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