よたよたと、山登り


    No.71

       

    船形山 升沢コース

         10月03日 晴れ〜曇り

     薪背負ってぇ・・・よいしょっ

       本日は「船形山のブナを守る会」の山行に参加させて頂きました。
    船形山山頂避難小屋に鎮座まします、冬山の守護神とも言える薪ストーブの薪を、冬に備えて備蓄する為に担ぎ上げる山行でありました。
    6時30分に大和町のまほろばホールに集合し、その後車を分乗して旗坂キャンプ場に移動であります。
    そこでそれぞれが自分の体力にあわせて適宜と思われる量の薪を背負い、増沢コースを山頂まで歩くのであります。
    で、薪の量は、各人が持てるだけ持てば良いのですが、しかし、おっさんなどは多少見栄も張りたい訳で、ギリギリ何処まで持って大丈夫か、自分との戦いなどして見る訳です。
    まあそうは申しましても屁タレのおっさんでありますから大した量は持てない訳で、自前の背負子に括り着けた薪と弁当の総重量が17キロでありました。
    17キロと言うと一泊のお泊まり山行の荷物程度な訳で、丁度良いのであります。

     
    背負子に薪を括り着けて準備中の皆さんの様子

     さて、本日の天気予報はあまり良く無く、午後からは崩れて来るよと宣っている訳で、出来れば薪を背負っている間には降って欲しく無いな、とおっさんは思っておりました。
    しかし出発時の空模様は青空基調でありまして、まっ、これなら登りは間違いなく持つだろうな、と、ナント無く、根拠のない楽観ムードで歩き出したのであります・・・Y嬢パワーとごく一部で噂されているオカルトチックな話しがある訳ですが、結果から言えば、この日もY嬢パワーは炸裂した模様で、とうとう下山終了時まで雨は来なかったんであります。
    雨男のおっさんのパワーよりも晴れ女のY嬢の方が数段強力なようで、同行で山に行く場合、天気の心配はほとんど要らないのであります・・・これ、ホント。

    紅葉の船形山・・・山頂近くなって霧が出て来ました。

     足を痛めた今年は遠出が出来なくて、船形山を裏表斜め後と登っている訳で、増沢コースを行くのだなどと言うと妙にホッとする訳です。
    いや、山を舐めているとかそう言うのではなく、なんとなく心が和むと申しましょうか、ゆとりが持てると申しましょうか、構える所無く歩けるのであります。
    そんな訳で薪の重さも苦にならず、足も痛む事無く順調に、三光の宮を過ぎ、程なくして升沢小屋到着でありました。
    「船形山のブナを守る会」の会員の山行でありますから、メンバーの皆さんはそれぞれに深く船形山に関わっている訳で、おっさんの様な中途半端な新参者とは違って船形山に造詣の深い人達ばかりであります。
    中でも驚くのは、本日の船形山登頂が「500回目」と言うKさんは別格であります・・・月に2回、1年で24回、20年で480回でありますよ。
    お百度参りを5回もこなしている訳ですから、相当なご利益があるものと思いますが、ドンナもんでしょうか?

     
    山頂小屋が見える頃には結構深いガスが巻くようになっていました

     この会の山行にはおっさんも随分馴染んだんでありますが、毎度の事ながら参加者の年齢には驚かされます。
    本日は距離の長い升沢コースを歩荷する訳ですから、それなりにきつい事が予想されたんでありますが、やはり一部に薪の背負い過ぎでへばった人も見られました・・・いや、年齢的には荷物を背負うなどとんでもない、普通に山頂を目指すだけでも大事であろうという年齢の人達がおっさんと同じくらいの薪を背負っての事でありますから、対年齢比の馬力としては凄い事なんでありますが・・・。
    もう一つ、年齢の高い人特有だと思うんでありますが・・・冷えてしまった、と言うのがあるのか、とおっさんは思うのであります。
    山頂が近づくに連れ風が強くなり体感温度がググッと下がったんでありますが、稜線の風と気温低下を予想したおっさんは升沢小屋で休憩の折にウィンドブレーカーを着用した訳です。
    年齢に比例して寒さには弱くなる訳ですが、冷えて身体が動かなくなるのと体感の感覚にズレがあり、体力の消耗が一気に進むのだそうで、高齢者の休息にはまず保温から行かないとダメなんであります・・・ナンチャって、思い付きで書いてみましたが。

     避難小屋到着はほぼ予定通りの12時頃でありました。
    所定の位置に薪を積み上げ、来るべき雪のシーズンもこれで安心と・・・この冬も小屋でパンツ一丁でぬくぬく過ごさせてもらうかんね、との思いを込めて作業終了。
    避難小屋の一階は他のグループで埋まっていたため、二階に上がって昼飯タイムとなった訳であります。
    おっさんは本日は厳粛な捲き上げ山行であるからして、プシュッとして泡っとなる様なモノを持ち合わせては居なかったんでありますが、久しぶりに同行した千葉S氏のザックからはソレがゴロゴロと出て来たのであります。
    それは当然のようにおっさんの目の前にも配給され「あいやっ、これはこれはかたじけない」と照れながらも、既に喉の奥から手が出ているおっさんは、礼の言葉もそこそこにプシュッとさせて頂いたのでありました・・・うめぇーっと。

     しかし、時折小屋を揺する程の風が吹いて来たりして、天候が下り坂である事を告げている訳です。
    飯の途中で体調を崩した人をサポートして降りる班と升沢小屋のバイオトイレのおがくずを背負って降りるグループに分けられ、状況説明があり、ちょっと緊張と心配などした訳ですが、おっさんはおがくずを背負って降りる班なので1時過ぎに升沢小屋を目指して下山開始でありました。
    この時、霧が濃く風が強かったのでまかり間違うと雨が、と読んだおっさんは合羽の上下で完全武装したのでありますが・・・結局雨は来ないし、山頂から少し下がったら風も止まっちまって、蒸されました。
    ドーも昨年のトムラウシ以来低体温に気を使い過ぎるきらいがあるな、と思うんですが、まっ、おっさんも後一息でおっさんの上のクラスになっちまう訳ですから、用心に超した事はない訳です・・・それにしても合羽は苦手です。

       下山を開始して直ぐ、おっさん等のおがくず背負い班からも具合の悪い人が出て一行の足が止まったり、歩みが遅くなったりが出たのであります。
    日没の早い秋の事でありますから明るいうちの下山は無理だろうな、とおっさんは覚悟を決めましたが、グループ登山の気安さに甘えていつも必帯の緊急時セットを荷物から外して来た為ヘッドライトを持っていないのでありました・・・目の弱いおっさん、これは難儀するなと覚悟を決めました。

     おっさんらが升沢小屋に到着して遅れている後続のグループを待っていると、思ったよりも早く到着でありました。
    そこで各自おがくずの入った袋を背負子に括り付け出発したのは2時半を過ぎていたと思います・・・ライト無しの残り時間は後2時間半、と。
    ばてて早く歩けない人を先頭に、それぞれ気を使いつつ下って行ったのでありますが、だいぶ日が傾いて日没が迫っている雰囲気が濃くなった頃、バテていたはずの先頭がどう言う訳か復活し、今までスーパーローで下っていた速度が、いきなりオーバートップに入った訳です。
    こんな不思議な復活ってあるんですねぇ・・・三光の宮から旗坂キャンプ場までの下りは、さっきまで倒れそうに歩いていた人とは思えないスピードで下って、後続が付いて来られない程になった訳です。
    その結果薄暗くはなったけれども足許の見えるうちに下山出来たのでありますが・・・体温が上がったからか?

     旗坂キャンプ場到着は5時頃と、到着してみれば予定よりも30分程度しか遅れていない訳で、後半の追い込みがどれ程のモノであったかが伺い知れるのであります。
    で、後で伺った所によれば、もう一人の方も無事にサポートされて下山したとの事で、終わってみれば事も無し、楽しい山行であったと言う事でありました。

     誰か,厳冬期に山頂避難小屋でパンツ一丁で酒盛りする相手になる人居ませんか?1月か2月の吹雪く頃・・・うひゃぁー、楽しそう。  


     この話 完


    山の状況、情報は適当ですので、ご注意下さい・・・


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