よたよたと、山登り


    No.74

       

    二口山塊  三方倉山

         11月11日 曇り〜晴れ〜曇り

     なんだ?この山は・・・???

       朝起きたら思ったより体調が良く無く、しんどい山は嫌だなぁ・・・んじゃ行かなきゃ良いのに、と思うんですが、しかし、雰囲気だけでも山に入りたいんで、んじゃぁ軽く泉ヶ岳かな、と思ったんであります。
    で、桑沼から北泉に行って大倉山の東屋でのんびりとするか、と思ったんですが、新しく手に入れた登山地図の三方倉山のコースを思い出したんであります・・・積雪期の下見に行って見るか、と。
    そんな訳で、二口まで行ったら大東岳に足が向いちまうかもなぁ、なんて気持ちを打ち砕くように雪を被った大東岳を眺めつつ二口の本小屋へ。

     
    秋保の田んぼから見える大東岳

     本小屋から二口峠への林道は工事中で一般車は通行止めなんですが、今は土日は通してもらえるようで,ずっと上の水汲み場へ向う車もズンズンと上がって行っていました。
    おっさんはキャンプ場の前の駐車場に車を入れ、身支度を整えていざ出発・・・しかし、初めてなので登山道入り口が分からない。
    二口渓谷の案内板があったんですがそこには三方倉山への入り口も登山道の記載も無く、成る程な、新しい登山道だからかな?と。
    で、登山地図を取り出してみましたが、なんとなくもう少し下流から沢を横切る感じだな、と見えるんですが、定かではないのです。 しかし、駐車場の直ぐ脇に立派な橋が在り、水量豊富な沢を渉るならこの橋を見逃す手は無いだろうと、渡ってみた訳です。
    で、そこは二口遊歩道とか言うらしく、歩き易い散歩道が刻んであるのです。
    少し行くと登りに向う道が在り行って見ると、ほーら、やっぱりだもの、と言う事で、ブナ平経由で三方倉山への案内板が出た訳です。

    三方倉山を愛する有志が手入れをしていると言う手作りの案内板

     さて、登りに入りまして気づくのは、思いの外しっかり踏まれた道でありまして、へぇー・・・そんなに人気があるのか?と思うのであります。
    それにしても随分と歩かれている道だなと言うのを行きますと、ナニやら道が明確に分かれ、一方は沢筋へと下って行くんであります・・・しかも、トラロープの誘導付きで。
    うーん・・・しかしこれはおっさんの経験と勘が、それは罠であるぞ、と注意を促すのであります。

     
    ほらねっ、下へ向う方が本筋に見えませんか?

     そんな訳で、山に来たら登るもんである、と言う心情に基づきおっさんは上を目指したんでありますが、さて、あっちの道がどこへ行くモノやら、下手したら近道だったんじゃないのかと言うのは、行って確かめていないので分かりません。
    ただ、ここへ至る道すがら,仙台市水道局のアレコレが道しるべのように打たれていたのを考えると,アレは水道施設への道だろうな、とおっさんは思います。

    ブナの木に残る熊の爪痕ですが、旧い物です。

     ブナ平コースと言う割にはひねた細いブナしか見られず、名前負けしてんじゃないのぉ、なんて思いながら歩き易い見事な紅葉の登山道を登って行きました。
    すると、標高で600〜700くらいになった所で見応えのあるブナに出逢うようになりました。
    で、それらのブナには例外無く熊の爪痕が残っているのでありますが、全部旧い物であります。
    そーかぁ、登山道やら整備される以前は熊のえさ場であったのであろうなぁ・・・ナンだか申し訳ない事をしているのかもしれないなぁ、と、熊の食卓を騒がしてしまった事など想像しながら行くのでありました。

    縮尺が分からないので太く見えませんが、そこそこ太いブナの木です。

     登山道は小さな尾根筋を拾って楽に歩ける所に付けられて居たんでありますが、おおっ、なんだかとっても急になって来たな、と感じると、岩場など出て来て、標高971メートルにしてはやるじゃないか、と言う雰囲気になったのであります。
    で、ここから山頂の尾根まではなかなかの急登と良く無い足場でありまして、登山地図はハイキングコースと書いているけれども、それは真に受けない方が良いぞ、とおっさんはご忠告申しあげる次第であります・・・しっかりした靴でないと泣きを見ます。
    で、下の方は随分歩かれているなと思いましたが登るに連れ、道ははっきりしているがそれ程踏まれているとは思えなくなって来まして、登山道に立ちふさがる倒木なども多くなり、なかなか本気の山登りとなって来るのであります。

     
    噂の横向きの柱状節理です・・・山賊の城の石垣なんじゃないのぉ?

     さて、山賊の城跡の石垣の辺りからは本格的に登る訳で、ひとしきり絞られます・・・とは言っても山が小さいので直ぐ終わりますけど。
    標高の低い山とは言っても雨続きの後、ズルズルの急斜面は岩まじりで登り難く、それなりにしんどい訳で「山高きが故に尊からず」をしっかり実践する山でありました。

    急斜面を登って来た割には穏やかな山頂であります。

     そんな訳で標高の割には登り応えがあるな、と踏ん張って登ると、以外とあっさりと登り切って穏やかな稜線に出るのであります。
    ふーぅーん、まっ、1000メートルに掛ける山だわな、と、ナンだか北泉に向う大倉尾根に似た感じの穏やかな稜線を進みますと、程なくして山頂でありました。
    晩秋と言いますか初冬と言いますか、ナンであれ木の葉が枯れてなんとなく見通しがありますが、これは盛夏に登っても何も見えない山では無かろうか?と思うんであります・・・と、言う事は楽しく無いかも。
    で、本日は木の葉の落ちた木々の隙間からかろうじて大東岳がみられたのはラッキーかも知れませぬ・・・この山のベストシーズンは降雪前だね。
    成る程なぁ、随分遅れてデビューした登山道であるな、と思っていましたが、そう言う事にはキッチリ訳があるもんで、やっぱしなぁ・・・見通し悪くて風も通らない、夏は暑くて辛いだけだろうな、と。
    で、山頂からは家形山方向の稜線に明確な踏み跡があるので追ってみました・・・しかし、100メートルも行くと途切れ、皆さん様子見か、キジ撃ちにでも来る道なんでしょう。
    いや、おっさんが子供の頃にはこの稜線上に道があったと記憶しているんですが、定かではありません。

     さて、長居をする山頂でもないのでアミノバイタルをひとすすりして下山開始であります。
    帰り道は「シロヤシオコース」を辿ってみました。
    いや、これがまた大変な急勾配でして、転がり落ちるような塩梅なんであります。
    とても真っ直ぐは下りられない傾斜なんで道はジグザグに切られているんでありますが、それでもやっぱし、いい加減にしろよ、と言いたくなる急さでありました・・・雨の後なのでズルズルに滑って厄介でした。
    さらっと地図で測ってみると、標高差600メートル弱を距離1000メートルで下っているので、そう言う事になる訳ですね。
    いや、駐車場が標高380メートルなんで、971メートルの山頂まで、600メートルの標高差がある訳で、泉ヶ岳の表コースとほとんど一緒だ、となるのであります・・・うん、泉ヶ岳表コースの胎内くぐりの前後の急傾斜に似てるとも言えるね。

    新奥の細道ですと・・・どこがそうなんだか分からないけど?。

     さて、ナンボきつくても距離が短いのでソコはソレ、下りてしまえばあっという間で、1時間程で二口遊歩道に出るのであります。 ここからは遊歩道なんでなんて事も無く、10分程度で駐車場に戻れるんであります。
    登り1時間45分・・下り1時間15分・・休憩、写真撮り30分・・都合3時間30分で一周3.9キロでありました。

     総評・・・お勧めはおっさんと同じ周回コースだが、シロヤシオコース往復だともっと速く登れると思うが、しかし、楽しく無いと思う・・・まっ、一回登ったら当分はいいかな?と。
    冬の下見だったんですが・・・行くとすればシロヤシオコース直登・・・根性要るなぁ、でありました。



       この話 完


    山の状況、情報は適当ですので、ご注意下さい・・・


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