よたよたと、山登り
No.83
山しか行くとこ無いもんで
4月 17日 超!快晴
春山だな、やっぱし
日曜日はあんまし山に行かないつもりなんですが、本日の絶好の晴天を見逃しては末代までの不覚でご先祖様に顔向けが出来ない、なんちゃって。
まっ、大した先祖も居ないんでありますが、この天気を逃していつ山ヘ行きますか?と 言われるくらいに良い天気な訳でこれは行くしかないべ、となった訳であります。
朝飯を食いながら行き先を思案した所、そろそろ笹谷峠まで車が行けるんじゃないのか?・・・雁戸か?と、思いつつも、道路が開通前だったら?とアレコレ考えちまう訳であります・・・あっ、笹谷古道なら下から登れるんじゃないかい?と、言う事で、とりあえず八丁平まででも行ってみましょうか、と言う事で出掛けた訳であります。
で、本日も山までの足はCUB君であります・・・なんたってガソリンが安く済みますからね。
八丁平までならワカンが有れば間に合うよな、と思いつつも、まかり間違って雁戸まで行くとなったらアイゼンも欲しいな・・・あいや、ピッケルも外せないよな、と言う事で、おっさんは雪山装備一式を背中に括り付けて出発したのでありました・・・重いです。
笹谷古道の入り口です・・・雰囲気有ります。
さて、前日に比較すると結構冷え込んだ朝でありましてバイクで行くには寒いかな?なんて思いつつも完全装備で出発であります。
バイクで行く時の格好は山での防寒対策と同じで良いのはとても助かる訳であります・・・と、言ってもTシャツにダウンを着てその上に合羽を羽織るだけなんですが。
で、笹谷インターを過ぎて直ぐゲートは固く締まっておりまして、4月22日金曜日の午後開通予定と書かれておりました・・・ありゃぁ、やっぱしなぁ、と。
おっさんのバイクがもう一回り大きくて高速に乗れるのなら山形側まで行って関沢から登れば八丁平まで道路が通っていて行ける訳です。
しかし、まっ、残雪の笹谷古道を歩くのも悪く無いな、と言う事で、ゲートの前にバイクを停めてアスファルトの道路を笹谷古道入り口までテクテクと、7〜8分ですか?歩いたのであります・・・出発は既に9時20分でありまして、雁戸山頂を狙うには舐めた時刻な訳であります。
これは赤布にしては数が多過ぎるんで、ナンですか?伐採の目印ですか?
さて、笹谷古道はなんて言う事も無いただの山道でありまして、事前に蘊蓄を仕込んでから歩かないとつまらないかも知れないな、なんて事を思いながらも、所々に出て来る説明看板はしっかりと読んで行く訳であります。
しかし、山歩きとしては、まっ、特別ナニと言う事も無いよな、と感じたのが偽らざる気持ちでありまして、おっさんは標高800メートル過ぎから有耶無耶の関に向わずカケスが峰に向う尾根を外さない事に気を使っていたのでありました。
いや、この道は初めてなんで、どんな事になっているやら、地図で読んだ雰囲気しか分からない訳であります。
まっ、しかし、行って見ればこれしか無いよな、と言う明確な尾根筋に出合いまして自然とカケスが峰に向っちまう訳であります。
で、八丁平の端っこをかすめて通過中であるなと明確に分かったのは送電線の鉄塔であります・・・これが目印なら吹雪でも多分大丈夫かと・・・いや、見えないか?
標高1100〜1200の樹林帯ではあらゆる樹木がばきばきに折れていました。
そんな訳で意外と楽にカケスが峰へ取り付いちまいまして、足は間違いなく雁戸を目指している訳であります。
おっさんは随分下の雪が現れて直ぐにワカンを履いて来たんでありますが、シロートはズボ足で行こうとするんじゃ有りませんか?
で、それでも行けるし、アイゼンでも良いかもと・・・いや、普通の選択だとアイゼンだと思うかもしれませぬが、おっさんは春の好天時の緩んだ雪にはワカンだと思う訳であります。
やってみると分かるんですが、スボ足やアイゼンは思ったよりもズッポリとハマりますよ。
登りがワカンの足跡で下りがアイゼンで同じ場所でズッポリはまっています。
標高が上がるにつれ一番最初に目に飛び込んで来たのが仙台神室の偉容でありました。
あの山は四季折々、見る方向が違うとそれなりに姿を変え、なんとも味の有る山だな、とおっさんは思い、大好きなんであります。
で、快晴で風が強い時と言うのは霞がかからずに遠目が聞く訳で、朝日連峰とか月山は直ぐそこに見えちまう訳でありまして、飯豊や鳥海だってくっきり見えていたのであります・・・他の山はドレがドレだか良く分からないのが勿体ないとも思うんですが・・・。
適当に歩いて後でGPSの軌跡を見たらしっかり夏道をトレースしていました。
さて、カケスが峰までは大した急登も無く比較的歩き易い雪面で楽に来れたのでありますが、勝負はこれからで有ります。
森林限界を超えたところでワカンからアイゼンに履き替えでありまして、蟻の戸渡りを眼前に眺めつつビビりながらも闘志を燃やす訳であります。
このとき既に11時50分・・・おっさんの見立てでは往復2時間・・・昼飯を食っている余裕は無いのだが、それにしても腹減ったな、と。
で、ウェストバックに入っていたアルフォートチョコを頬張りつつ進んだ訳でありますが、昼飯喰えるのは2時過ぎかと思うと、頭の何処かで止めっちまうかァ?と、言う声も聞こえて来たりする訳であります。
雪が溶けて黒っぽいのが蟻の戸渡りで、その奥が雁戸の山頂です。
いや、大して疲れているとは思わなかったんでありますが雁戸の登りに掛かったとたんなんだが足が重い訳です・・・あっ,アイゼン履いたからか?
で、おっさんの勘なんで、好みの問題も在ると思うんですが、東北の雪山にはグリベルなんかの刺さりの良い高級アイゼンよりも、通販なんかで売っている出っ歯の小さな10本歯程度の安物の方が歩き易いんじゃないかな、と思う訳です。
その心は・・・氷と違ってグズグズに崩れ易い雪では少しズルズルと足許が滑る安物の方が歩き安と思う次第でありますが、まっ、好き好きですか?
大東岳を見下ろしたんでありますが、まん丸のあの地形は、アレは円盤の発着場じゃないですか?
雁戸は風が通ると陽当たりが良いんで雪が着き難く融けるのが早いと言われている訳ですが、これだけ雪の多かった今年でも泉ヶ岳山頂よりも雪解けは早い訳です。
で、蟻の戸渡りなんかはもっとしっかり雪が着いていた方が登りも下りも楽なんであります。
まっ、滑って落ちない限りは安全なんで、滑落に注意しつつ、おまけに時々吹く突風気味の風に煽られつつも、落ちなければ怪我は無いんだからと、登って行った訳であります。
まっ、何時もの事ですけれども、登るのは易し、下るのは難しでありまして帰りはとっても難儀しました。
山頂からは365度の展望が開け,時間が許せばここで飯を食いたかったのですが
さて、山頂到着はぴったし1時でありまして、まっ、予定通りと言えばそうですし、帰り道を考えればそんなにゆっくりはしていられない訳であります。
で、記念写真を撮ったら直ぐに下山した訳でありますが、雁戸からの下りでスリップしまして咄嗟に差し込んだピッケルに手首に巻いたスリングでぶら下がっちまった訳です。
まっ、それでも止まるんでありますが僅かなスリップでも手首が千切れるんじゃないかと思う程痛かった訳で、やっぱしちゃんとしたピッケルバンドを肩掛けにするのが宜しいかも知れないと切に思った次第であります。
いや、こんな事も有ろうかとピッケルはアレです・・・カジタの玩具ではなく、ブラックダイヤモンドのツルハシでした。
本日の昼飯は、日曜に引き続き最新兵器「カップ焼きそば」でありました。
で、雁戸からの下りは登りよりも時間を食うかも知れない、と思ったらやっぱし、で、カケスが峰の頂上に辿り着いたら既に2時を回っておりました・・・空腹が限界でありましてそろそろ幻覚など見えようかと言う感じでありました。
そんな訳で遅い昼飯にしようと風裏を探して座り込み、やっと一息・・・缶ビールをプシュっとやって生き返った訳であります。
とは申しましてもそんなにゆっくりしている時間もない訳で、さっさと喰ってさっさと下山を決めなくちゃならないんでありまして、絶景に見とれている暇も無いんでありました。
西日との追いかけっこ、日が長くなって助かり、であります。
そんな訳でカップ焼きそばを食いつつビールを飲んでバナナなど喰って出発であります。
で、ここからは適度な塩梅の下り一方なんでそこそこのスピードで降りられるんで、出発を2時40分で、バイク到着が4時10分、と睨んでみた訳でありましたが・・・ピッタリでありました。
しかし、自分の足跡を辿って戻るんでありますが、なんとまぁ合理的でない踏み跡なんでしょうか、このおっさんは、と、我ながら呆れました。
薮も避けずに倒木も乗り越えで、真っ直ぐな訳ですが、登りではまだ何とかなりますけれども下山で勢いがついているとそれは大変な訳であります・・・パーティー組んでもこの人だけは先頭にしたく無いタイプですか?
時折自分の足跡を見失い探すんでありますが、流石に癖を知り尽くしているんで直ぐに見つかります。
しかし、今時は雪の融ける早さも早く,朝の踏み跡が消えている箇所も有る訳で・・・まっ、概ねあっち,で行けばナントでもなるコースでは有りましたが。
いや、雁戸の山頂まで行ければ良いなぁ、と思いつつ、無理かなぁと思いつつも、弱った足腰に鞭を打って登った訳ですが、はっきり言っておっさんのパワーダウンは著しいようで、ちょっとキツかったと思ってGPSで高低差なんか拾ったら、トータルで1000メートル越してるんだもの、それはやっぱしキツいんでありますね。
いやぁ、やっぱし山はいいなぁ。
この話 完
山の状況、情報は適当ですので、ご注意下さい・・・
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