よたよたと、山登り


    No.87

       

     里山の良さ 再確認

         5月 12日 なんとなくの山歩き

       木曜日、仕事は休み・・・他にする事が無いから山に行く、のではありませぬ。
    明確に、山に行きたいと思うから行くんであります・・・が、しかし、もっと正確に詳しく言うと、山で気に入った景色と対峙しながらビールを飲みたい、と言うのがホントーの動機と目的であります。

     まあ、アレコレ御託を述べ捲ったとしても、その度事に登った山が魅力的であり楽しい訳でありまして、ケツを降ろす隙も与えられず背中のビールなど飲んでる暇も無い吹雪の山だって大好きなんであります・・・たぶん、ホントーに山が好きなんでしょうね。・・・前振り終わり。

     さて、本日はお日柄はそんなに良く無いようでありまして、天気は持っても午前中か?と言う塩梅でありました。
    なので、遠くの山とか、時間のかかる山は一寸アレなので、近くて手頃でしかもボリュームを感じる山と言う事で後白鬚山を目指してみた訳であります。
    しかし、定義から林道に入って500メートルも行くと大きな岩が崩れ落ちて林道を塞いでいるではありませぬか。
    トレールバイクなら脇の岩の上を登れるかも知れませぬがおっさんのカブはアンダーガートも無い訳で、クランクケースをぶち当てちまったお終いです・・・しかもまだ新車だし。

        
    左脇から行けそうですが、間違って落ちたら下は谷です。

       参ったなぁ、どーすっかなぁ?で思案した訳ですが、天気も曇ってきまして予報通りに崩れそうな気配濃厚であります。
    行くとしても近場だな・・・三方倉山?鎌倉山?オボコンベ?・・・ん?白沢に登っていない山があるんじゃないかい?
    と、言う事で、白沢から秋保に抜ける時にいつも登山口を横目で見て通り過ぎていた「戸神山」に行く事に決定であります。
    まっ、定義から白沢なんて目と鼻の先ですから・・・と、思って行ったらそこは区界を越えていて太白区なんでありますね。
    で、解り易い道路脇の駐車スペースのなおかつ隅っこにバイクを停めまして歩き出したのが9時半でありました。

    まず、とても道標の多い山でして、それも味のある物が多いです。

     しっかりした仙台市水道局の鉄柵の扉の脇には慎ましく「戸神山」への矢印などあって心和む歩き出しでありました。
    鉄柵からしばらく、水道局の貯水タンクまではキレイな舗装路でありまして、タンクの脇を回り込んで行くとやっとそれらしい雰囲気の山道っぽくなる訳であります。
    それでも登山道と言うよりは荒れた遊歩道と言う感じで道幅も不思議な幅で広く、もっと解せないのは、とても車は入れない道の途中に古い産廃らしきゴミなど捨てられている事でありました。
    今はこんな状態でありますがその昔は軽トラ程度なら入れたのだろうか、と訝る訳であります。
    ものの本によるとこの道は、かつてこの地にレジャー施設を作ろうとした時の名残であるような事が書かれている訳ですが、と、するとここは私有地なのでありましょうか?・・・まっ、おっさんには関わりのない事でありますが。

     さて、登山と言うよりはほとんど遊歩道的な道を緩いこう配で登っていきますと、只今里山の草花真っ盛りでありまして、見つける度に写真など撮るものですからさっぱり前に進まないのであります。
    が、しかし、標高504メートルの山でありますから、「狭い里山そんなに急いで何処ヘ行く」でありまして、のんびりの探索が似合うのであります。

    何となく不自然に平らで広い場所でありました。

     で、おっさん歩きながらナンだか解らないんですが、どこかに視線を感じると言うか、ナンか今イチ落ち着かない雰囲気な訳であります・・・この気分は終始つきまとうのでありますが、それが何かは今でも解らないままでありまして、なんか落ち着かない山であるなぁ、と感じたのは気のせいでありましょうか?
    さて、ボチボチと歩いていくと一寸した広場に出まして、右は表コース、あっちは裏コースと標識が示している訳であります。
    うーん、やっぱし普通は表から伺うのが礼儀と言うもんでしようねぇ、と言う事で表コースへ進んだのであります。
    道はとても良く整備されていると言うか、邪魔な木々は刈り払われていて歩き易いんでありますが、ナンだか知りませんが赤布がやたらと下がっている訳です。
    で、赤布なんですが、これは道しるべにしてはしつこい程に多い訳でして、吹雪の尾根でもやらない5メートルとか10メートル間隔なんてのがある訳です・・・何かのおまじないですか?

     で、これはやっぱり私有地なんだろうな、と思った理由は、営林署の看板やら標識が何一つ見えないのに途中で通過した杉林の手入れの見事な事でありました。
    今時は放置される事の多い国有林の杉林でありますが、ここではしっかりと枝打ちがなされ下草も刈られている訳で、美林でありました。
    途中には水場もあるんですが、なんだか水量が細く深山幽谷と言う場所ではないのと、笹倉山の御神水の事もあるので飲むのは止めておきました・・・いいえ、多分大丈夫だと思うんですけれどもね、この後ビールが待っていますんで。

    美しい杉林を上り詰めると按部に出まして裏と表のコースで左右に分かれておりました。

     で、按部では右が女戸神山で、左が男とが深山と成っている訳でありますが、おっさんの性分としては最初に女の方にご挨拶せねば成らない訳であります。
    で、短いけれども割りと急な女戸神山まで、歩き易い尾根道をヘコヘコと登った訳であります。
    しかし、まあ、多分男戸神山より小振りなので女戸神山と成っているんでしょうけれども、頂上と言ったって眺めは悪いし何か有る訳でも無く、毎度の手作りの素朴な標識があるだけでした。
    この山は全体に二次林なんでありましようか?太いと思える木は殆どが植林されたものだなとおっさんは見たのでありますが・・・。
    で、無愛想な女戸神山から下りてきましてふと案内を見ますと、今下って来た方向が裏コースへの道な訳です。
    いえ、おっさんは地図なんて見ない出歩いてきましたが自分の位置関係はしっかりと把握していたつもりで、周回コースは男戸神山方向から行くモノと信じ切って先に女戸神山に登っていった訳です・・・ウヒャァー180度狂っていましたかぁ?と。
     
    こちらも素朴で味のある山頂の標識であります。

     さて、男度神山への登りは流石に急でありまして、下から眺めた山の格好を彷彿とさせる斜面でありました。
    しかしこちらも足元は良く刈り払いなどされており、と言うよりも歩く人が多いんでありましょうか?良い道な訳です。
    途中にお助けロープなんかも張られていたりしてまずまず、それなりに汗はかかされるんでありますが、ムラサキヤシオやシロヤシオなんかも目に入り、楽しい登りであります。
    やっぱし男戸神山も二次林なんでありましょうか?背の低い雑木林と言う感じで、いかにも由緒正しい昔の里山と言う雰囲気であります。
     
    本日の昼飯にはフルーツが欠けていましたね。

     いや、ものの本によれば戸神山の山頂は展望が良いと言うんでありますが、確かに、太白区方向には良いんでありますが反対側の青葉区と言いますか、宮城町方向にはあんましよくも無いな、と思った次第であります・・・アレですか?雑木が伸びちまったからですか?
    さて、それでも前方には180度ほどの眺めが展開されている訳で、それも高い山のものとは違って身近な町のアレコレなんかが特定出来てそれはそれで楽しい訳です。
    で、ありますから、雨の事が少し心配なんでありますが、やっぱしこの景色を肴に軽くプシュッと呑まない事には治まらない訳であります。

       で、ビール片手に後の薮で鳴いているウグイスと鳴き比べなどしてみた訳です・・・いゃ、おっさんはそこそこ上手いんでありますして、メスのウグイスを呼び寄せてみたりする訳です・・・いや、ホントーは雄雌は解りませんが鳴き声を真似た口笛を長く吹いているとウグイスが拠って来るのはホントーです。
    で、暫くウグイスが相手をしてくれた訳ですが、しかし、鳴き声ではドーしても勝てないのでおっさんは得意の歌を披露して差し上げました。
    八代亜紀と徳永英明をメドレーで唄ってやったらウグイスも喜んでおりました。

    また標識の写真ですが、手作りの味がナンとも言えないと思うんですけど・・・。

     そんな訳で11時少し前に座り込んでしっかりと11時半まで、結構長い事ウグイスと遊んでいた訳ですが、いよいよ雲行きもヤバくなって参りまして下山に向った訳であります。
    もう一度女戸神山へ登り薮っぽい道を下っていくのでありました。
    で、この道もアレです、由緒正しい里山の道でありまして登山道と言うよりは散歩コース的な道でありました。
    が、しかし、道の途中に大型のほ乳類の糞など落ちていて、まずおっさんも詳しくは無いのでありますが、たぶん熊の糞であろうな、と言うのが有ったりする訳です。

     で、戸神山と言うのはその昔は「とがり山」であったと言う説も有って、山容は間違いなく尖っている訳です。
    しかも、オボコンベなんかと同じ性質の山と言う事なんでありますがおっさんの得た感じでは溶岩の岩が残った山と言う感じではなく、全体に砂岩の多い山であるな、と言うのが正直な所であります・・・まあ、だからドーしたと言う事でもないんですけど。

     さて、女戸神山の頭の急な所を下っちまうと後はテクテクと山歩きの感じでありまして、花など眺めながらのんびりと行く訳ですが、やっぱし誰かに見られている感じが常にする訳であります。
    まっ、正直言って少し嫌な気分の山だな、と思って歩いていったのでありました。
    で、行きに出合った裏と表の分岐の広場を過ぎて暫く行った所でまた熊の糞を見つけた訳です。
    あいやぁ、ここは行く時には何も無かったんで新しいものだな、と解る訳です。
    それもそのはず、熊の糞は放り立てでありまして正に湯気が出ているか、と言う状態な訳です。
    コレを登山道の真ん中に残すと言う事は、おっさんへの挑戦状であるのか?と思ったんでありますが、まっ、それは受けて立ちたく無いので足早な立ち去るのでありますが・・・。
    で、フト思ったんですけれども、ずーっと感じていた視線はひょっとするとコイツだったんじゃないのか?なんて思うんでありますが、考えすぎてすか?

     そんな訳で、どことなく変な雰囲気の山であるな、と言うのがおっさんの偽らざる感想なんでありますが、まっ、気のせいでしょう。
    12時半、駐車場到着でありました。


       この話 完


    山の状況、情報は適当ですので、ご注意下さい・・・


    ご意見ご感想は こちらで、承っております・・・


    INDEXに戻る 次のページへ